『ジェラシー』(79)(1982.6.21.)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ffb3a82504af584a6c80804dc91170b5
『ミッドナイト・クロス』(81)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f3f733cdf2313994765e94d173c6c248
『ジェラシー』(79)(1982.6.21.)
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『ミッドナイト・クロス』(81)
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『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』(2022.11.29.オンライン試写)
イギリスの上流階級に生まれたルイス・ウェイン(ベネディクト・カンバーバッチ)は、早くに父を亡くし、一家を支えるためイラストレーターとして働き始める。
やがて妹の家庭教師エミリー(クレア・フォイ)と恋に落ちたルイスは、周囲から身分違いと猛反対されながらも彼女と結婚するが、エミリーは、末期ガンを宣告される。
そんな中、ルイスは庭に迷い込んできた子猫をピーターと名付け、エミリーのためにピーターの絵を描き始める。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、猫をモチーフにしたイラストで人気を集めたイギリスの画家ルイス・ウェインの生涯を描いた伝記映画。『女王陛下のお気に入り』(18)のオリビア・コールマンがナレーションを担当。監督は日系イギリス人のウィル・シャープ。
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(14)のアラン・チューリング同様、ここでもカンバーバッチは、生き方が不器用な異能の天才を演じている。
さて、猫を描いて売れっ子となった画家と妻や猫との心温まる愛の物語かと思いきや、妻は早々に亡くなり、残されたルイスは家族とトラウマを抱え、おまけに版権を持たなかったため、いくら絵を描いても経済的には恵まれず、最後は精神疾患に陥るという、何ともやるせない話になっていた。これは、見ていてちょっとつらかった。
そんな中で救いとなるのは、絵本や絵画を見るような映像美と、何かとルイスの面倒を見るウィリアム・イングラム卿(トビー・ジョーンズ)と、最後にルイスを救う旧知のダン・ライダー(アディール・アクタル)の存在だった。
特にライダーは、ルイスがたびたび口にする「電気」(この映画の原題は「The Electrical Life of Louis Wain」)という意味不明な言葉の意味を、「愛」と解釈し、見事にラストシーンにつなげる役割を果たした。
ところで、今では考えられないことだが、イギリスでは、古来ペットといえば犬が主流で、猫好きは肩身の狭い思いをしていたらしい。ところが、ルイスの絵が猫たちの地位を向上させたのだという。これは知らなかった。
『遊星からの物体X』(82)(1984.2.27.大井ロマン.併映『スター・トレック』『スター・トレック カーンの逆襲』)
推定10万年前に地球に墜落し、氷の下で眠っていた宇宙生物を発見した南極基地の隊員たち。生命体は、接触した生物に同化し、次々と形態を変えながら隊員たちに襲いかかる…。
ジョン・カーペンター監督が、敬愛するハワード・ホークスが製作した古典的名作『遊星よりの物体X』(51)をリメーク。特殊メークと視覚効果で作り上げた生命体は迫力満点。人類とエイリアンの壮絶な闘いをスリリングに描く傑作SFホラー。原作・ジョン・W・キャンベル Jr.、脚本・ビル・ランカスター、撮影・ディーン・カンディ、音楽・エンニオ・モリコーネ。
スプラッターシーンもすごいが、ただのゲテモノで終わらなかったのは、人間の本性があらわになる優れた密室劇になっているところだ。
【今の一言】変な話だが、沖田修一監督の『南極料理人』(09)を見たときに、しきりにこの映画のことが思い出された。
「ジョン・カーペンターレトロスペクティブ2022」『ゼイリブ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/77342e996699ba88f5b8d5cab16a89ee
『ニューヨーク1997』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2414c040268eedaec0ab217c74cfc508
『ザ・フォッグ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/050dfd2ddab91712b426a738f1fc66fc
『クルージング』(80)(1981.7.4.オールナイト)
ゲイの男たちが被害者となった連続殺人事件の捜査のため、おとり捜査でゲイの世界に潜入した警官スティーブ・バーンズ(アル・パチーノ)が、葛藤しながらも、やがてゲイの世界の熱気に取り込まれていく様子を描く。
今までも、ゲイを扱った映画はあったが、これほど直接的に、その世界を見せられたのは初めてだった。『フレンチ・コネクション』(71)『エクソシスト』(73)など、見世物的な映画を作らせたらなかなかのウィリアム・フリードキンが監督しただけに、かなりハードな描写があった。特に、秘密ゲイバーで繰り広げられる狂態はすさまじかった(フリードキンが同じくゲイを扱った『真夜中のパーティ』(70)は未見)。
一体、何が彼らをこうした世界に引き込むのだろう。最初の殺人事件の被害者と犯人との間でこんな会話があった。「どうしてこんな所に来たの?」「愛が欲しいからさ」。つまり、愛に飢えた男たちの行き着く先ということなのか。いずれにしても、自分の理解の及ばないところで、こうした世界が歴然と存在していることだけは確かだ。
この映画の主人公のスティーブのように、全くその気がなくても、その世界に染まってしまう怖さが描かれる。男の精神の奥底に、こうした欲望が隠れているのだろうか。それが、何かのはずみで現れてくるのだとしたら、自分だって分からないと思わされる。あな恐ろしや。
パチーノには、本当に感心してしまう。ちょっと病的な役をやらせたら、彼の右に出る者はいないだろう。だからこそ、今の病めるアメリカに、彼の存在価値があるのだろう。
【今の一言】今なら珍しくもない題材だろうが、40年前は奇異なものとして捉えられていた気がする。隔世の感がある。
『ラスト・ワルツ』(78)
ザ・バンドが、1976年11月25日にサンフランシスコのウインターランドで行った解散ライブの模様を記録したドキュメンタリー映画。監督はマーティン・スコセッシ。
ザ・バンドのことはよく知らなかったので、もっとハードロックっぽいものを勝手に想像していたのだが、どうして、どうして、さまざまな音楽の要素がぶち込まれたライブの記録だった。まあ、彼らに言わせれば「さまざまな音楽の行き着く先がロックだ」となるのだから、当然なのだろうけど。
それにしても集まったメンバーのすごいこと。主役のザ・バンド(ロビー・ロバートソン、リチャード・マニュエル、ガース・ハドソン、リック・ダンコ、レボン・ヘルム)のほか、相変わらず病的なニール・ヤングとジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソンとニール・ダイヤモンドの圧倒的な声量、ロックギターの雄・エリック・クラプトンとロバートソンとの競演、黒人ブルースのマディ・ウォーターズまでもが顔を出し、最後は大御所・ボブ・ディランが登場し、おまけにロン・ウッドとリンゴ・スターがくっ付いて…。よくもまあ、これだけ集まったものだ。
『ウッドストック』が示した、ジャンルを超えた音楽の力や連帯感、エネルギーのぶつかり合いが、この映画でも見られた。加えて、ザ・バンドの面々の生きざまを、彼ら自身が語っていく。
そこには自然と、プレスリー、ベトナム戦争、ニューヨークの魔力といった話題が飛び出し、何となくアメリカの現代史が浮かび上がってくるところが興味深かった。そして、見終わった後は、心地よい疲労感を覚え、映画ではなくコンサートを見たような気持ちになった。
何と、この映画は、マイケル・チャップマン、ラズロ・コバックス、ビルモス・ジグモンド、ヒロ・ナリタら、7人のカメラマンが撮ったらしい。なるほど、あの臨場感の秘密はここにあったのだ。一つだけ残念だったのは、曲の訳詞が字幕で出なかったことだ。
『アメリカン・ジゴロ』(80)
ビバリーヒルズで金持ち女を相手に生きる高級ジゴロのジュリアン(リチャード・ギア)は、上院議員夫人のミシェル(ローレン・ハットン)と出会い、彼女を愛し始めるが、殺人事件に巻き込まれてしまう。
『タクシードライバー』『愛のメモリー』(76)などの脚本を書いたポール・シュレイダーの監督作だが、失望させられた。ただただ、しゃれたファッションと主人公のカッコ良さに、妬みを感じながら見とれるだけ。人物描写もしっくりこないし、脚本作に見られた病根を掘り出すような鋭さもなく、ただうわべの華やかさを追っているだけのような気がする。
だから、ジュリアンが無実の罪で逮捕された時も、全く同情は湧かず、むしろ「ざまあみろ」みたいな気持ちになった。まあそこが、上流階級やうその世界でしか生きられないジュリアンへの強烈なしっぺ返しになっているのかもしれないが…。
最も印象に残ったのは、主題歌となった、ブロンディの「コール・ミー」だった。
第21回から、会場が「京橋 ZESTcantina」に。
第26回(2014.10.11.)
ウエスタン・ユニオン・特急便 第26号「今も世界の映画を結ぶフォード&デューク」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1bbedaa35cbec1341f06e2e71ed4500c
『BRUTUS (ブルータス)』「WESTERN UNIONの7人」(2014年12/15号)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/260080f0e7e17c88f82a5eaedd95313a
第27回(2015.1.11.)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/59466573b88eff8c7b1bc8fc2726d37c
第29回(2015.7.11.)トーク『悪党に粛清を』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1cad43d0aff04467a5b53b68222bc5a2
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/acc5b32ab228072ef70dc932cd9d436b
第30回記念大会(2015.10.10.パセラリゾーツ渋谷)『大列車強盗』(03)ほか上映
『シェーン デジタルリマスター版』トークイベント(2016.4.6.丸ノ内TOEI②)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2d3b3dd3d4b79c90db799b911e4729a9
「大船まつり 映画パレード2016」と『捜索者』(2016.5.16.)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7f436cded241dc43b8b87273cb812c05
第36回(2017.4.9.)トーク『ある決闘 セントヘレナの掟』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e791341acf8be6649c14dfca9b0aac06
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e3e261adff5a33637f35e8448bbb8a36
第37回(2017.7.8.)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ff5fb4d3ad967db0e82ac9bc3cfcfa85
第38回(2017.10.14.)トーク『マグニフィセント・セブン』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d79de621b6cf13f750259e78e6ebfa87
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b57af150e0147e0be1633a283a3e74ae
第41回(2018.7.15.)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/4d7ee83905c5b35173eb648cc144fe2d
第45回(2019.7.13.)トーク『荒野の誓い』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/21e1e2d1f476868739a7ba580c25efd2
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a2950b6fa2abd2d53518fb39d2c8e118
第2回(2008.6.14.)
熱狂的な西部劇ファンが集う「ウエスタン・ユニオン」の2回目の例会に出席。亡くなった水野晴郎氏についての話題も出た。3次会? として、地元近く目黒の「LITTLE TEXAS」というウエスタンバーで、カントリーミュージックの生演奏をバックにウエスタンダンスを踊るという快挙(暴挙?)付き。貴重な経験でした。ジョン・トラボルタ主演の『アーバン・カウボーイ』(80)を思い出した。
第3回(2008.10.5.)トーク『映画と出版』
「第3回ウエスタン・ユニオン」に出席。今回は幹事を務めたこともあり忙しかったのだが、全体的に楽しい会となったのでホッとした。後日、誘われて吉祥寺の「ハートフォード」という店にモデルガンを見に行く。
第4回(2009.1.24.)
ウエスタン・ユニオン・特急便 第4号『荒野の七人』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7afe87fbf4ebcab2aac7bc6ac20e715b
第7回(2009.10.10.)
第7回を迎えたウエスタン・ユニオンの例会に出席。今回は2度目の幹事を務めさせていただいた。アンケートは「初めて見た西部劇映画」。上は80代から下は20代まで、さまざまな職業を持った人たちが、幅広いユニークな回答を寄せてくださったので集計していても楽しかった。二次会では同世代が集り、テレビの洋画劇場で熱く映画を見ていたころの話で盛り上がった。
第9回(2010.4.10.)
著書『人生を豊かにするための50の言葉 名作映画が教えてくれる最高の人生の送り方』の即売会をさせていただいた。感謝。
第11回(2010.10.9.)
今年最後の例会となった。皆さま良いお年をお迎えください。
第12回(2011.1.15.)
今年最初のウエスタン・ユニオンの例会に出席。編集を担当した記念誌『よみがえる西部魂』が完成した。
第13回(2011.7.9.)
4月の例会が震災の影響で中止になり、半年ぶりに開催。皆さんお元気でなによりでした。
2020年の1月以来、コロナ禍で休会となっていた、西部劇同好会の例会が約2年10カ月ぶりに復活した。
開催場所となった表参道の「チャック・ワゴン」は、アメリカンスタイルのダイニングで、テキサス・メキシコ料理をアレンジしたオリジナルメニュー。いかにも西部劇の世界とマッチしている。
長い間ここで例会を行ってきたのだが、会員数の増加とともに手狭となり、仕方なく他に場所を移して行われてきた。今回、久しぶりに訪れて、昔を思い出しながら、とても懐かしい気分になった。そして、こういう会合は、やはりオンラインではなく、面と向かって話をするのが楽しいと、改めて感じた。
「新作映画の紹介」というお題をふられたので、『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(1月13日公開)と『生きる LIVING』(3月31日公開)について、少し話をさせていただいた。
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/75e9fb6061a71526c1f956dfe76ddf9c
『生きる LIVING』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c6a3517f991014ea9cd0100215b315f5
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
ジェームズ・キャメロンが生み出す圧倒的な映像体験 アバター世界へのワープの仕掛けは“共感”と“自然”
https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1360756&preview=true