『拳銃王』(50)
西部きっての早撃ちガンマン、ジミー(グレゴリー・ペック)は、別れた妻(ヘレン・ウエスコット)と息子と、もう一度やり直そうと町へやって来る。町が騒然となる中、彼は旧友の保安官マーク(ミラード・ミッチェル)を通して妻と再会しようとするが、彼に恨みを持つ3人組が町に近づいていた…。
ジミーのモデルは、実在した伝説のガンマンのジョニー・リンゴ。本人はもう足を洗いたいのだが、早撃ちとして有名であるが故に、闘いを挑まれ続ける。そんな男の悲劇を、珍しくひげを生やしたペックが演じる異色西部劇。
20年後に盛んに作られた、暗い背景と屈折した主人公を持つ、ニューシネマ西部劇群の元祖のような映画。監督のヘンリー・キングは、この映画のほかにも『頭上の敵機』(49)『キリマンジャロの雪』(52)『無頼の群』(58)でペックと組んでいる。
また、この映画の、カール・マルデン、リチャード・ジャッケルほか、個性的な脇役たちの中でも、最も気になるのが、ジミーの旧友の保安官を演じたキューバ生まれのミラード・ミッチェルという名脇役。この映画のほかにも、『頭上の敵機』(49)『ウィンチェスター銃'73』(50)『雨に唄えば』 (52)『裸の拍車』(53)などで、必ず主人公の横にいる重要な役を印象深く演じた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます