田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

フイリップ・ド・ブロカ作品のジャン・ポール・ベルモンドが好きだ

2021-09-08 14:39:22 | 映画いろいろ

 亡くなったジャン・ポール・ベルモンドの代表作といえば、ジャン・リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』(59)『気狂いピエロ』(65)を挙げる人が多いのだろうが、個人的にはフイリップ・ド・ブロカ監督の『リオの男』(63)『カトマンズの男』(65)『おかしなおかしな大冒険』(73)の彼の方が好きだ。

 あるいはカトリーヌ・ドヌーブと共演したフランソワ・トリュフォー監督の『暗くなるまでこの恋を』(69)やアラン・ドロンとの夢の共演と言われたジャック・ドレー監督の『ボルサリーノ』(70)もいい。

 リアルタイムでは、渋いジョゼ・ジョバンニ監督の『ラ・スクムーン』(72)、フィリップ・ラブロ監督の『相続人』(73)、アラン・レネ監督の『薔薇のスタビスキー』(74)と、激しいアクションを見せたアンリ・ベルヌイユ監督の『恐怖に襲われた街』(75)が印象的だった。
 
 よく昔の映画評論家たちが「日本ではアラン・ドロンの人気が圧倒的だが、フランスではベルモンドの方が上」と言っていたのを思い出す。淀川長治先生は「ジャン・ギャバンと一緒で、ジャガイモみたいな顔の人だね」と言っていた。今はこれも問題発言になるのかな。

『勝手にしやがれ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9079afabdb5c6a3a59b85948cc877d44

『暗くなるまでこの恋を』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9a9f9fc7b58d91a0b0d454d5795f14d8

『やっぱり契約破棄していいですか!?』(『カトマンズの男』)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/65cabe95a12799d449ad01c5c8c86638

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『レミニセンス』

2021-09-08 09:53:43 | 新作映画を見てみた

『レミニセンス』(2021.9.7.ワーナー試写室)

 都市が海に沈んだ近未来のマイアミ。孤独な退役軍人のニック(ヒュー・ジャックマン)は、相棒のワッツ(タンディ・ニュートン)と共に、顧客が望む過去の記憶を、特殊な装置を使って再現することを生業にしていた。

 ある日、メイ(レベッカ・ファーガソン)という魅力的な女性が現れ、ニックはたちまち恋に落ちるが、メイは突然姿を消す。必死にメイを捜すニックは、やがて、ある陰謀と自分が愛した女性の真実を知ることになる。

 『メメント』(00)『ダークナイト』(08)『ダークナイト ライジング』(12)『インターステラー』(14)とクリストファー・ノーラン作品で脚本を担当してきた、弟のジョナサン・ノーランが製作し、彼の妻のリサ・ジョイが監督した記憶にまつわるSF話。彼らが作ってきた映画とこの映画を考え合わせると、この兄弟の時間と記憶に対する執着は尋常ではないと思わされる。

 ニックとメイを結びつけるスタンダードの「Where or When=いつかどこかで」(作詞・ロレンツ・ハート、作曲・リチャード・ロジャース)も、過去と記憶にまつわる曲なのだから、念が入っている。

 タイトルから、ニックが超能力を使って他人の記憶の中に潜入する話かと思いきや、装置を介して“目撃する”話だった。つまり彼は他人の記憶を見るだけで、そこに介入することはできないし、見ている映像は過去のものだから、それを変えることもできない。そのもどかしさと切なさが、この映画の真骨頂。いろいろと盛り込み過ぎて支離滅裂なところもあるが、要はニックとメイの悲恋を描いたラブロマンスなのだ。

 独特の近未来の風景や一種の探偵ものという点では、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』(82)を思い出し、水中に入る妙な装置を見ながら、ケン・ラッセル監督の珍品『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』(80)に出てきた装置のことを思い出した。

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「BSシネマ」『羊たちの沈黙』

2021-09-08 07:20:28 | ブラウン管の映画館

『羊たちの沈黙』(91)

レクターもクロフォードもクラリスを愛し、欲している
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/996f7072522a4d5c7111c8b0b9137691

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