田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

映画音楽のサントラ盤と本命盤その3 ビートルズ

2021-08-31 07:25:40 | 映画いろいろ

映画関係のビートルズのLPは4枚。

  

『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』(64)
『ヘルプ!4人はアイドル』(65)
『イエロー・サブマリン』(68)
『レット・イット・ビー』(70)

 このうち、『~ヤァ!ヤァ!ヤァ!』のサントラ版がキャピタルレコードから出ていて、ジョージ・マーティンが手掛けたインストルメンタルの「ディス・ボーイ」(リンゴのテーマ)「アンド・アイ・ラブ・ハー」などが聴ける。

https://www.youtube.com/watch?v=Va3UPOY15Rk

 

 ポールは、『007/死ぬのは奴らだ』(73)のテーマ曲を手掛けたが、主演映画『ヤァ!ブロード・ストリート』(84)のサントラLPと『スパイ・ライク・アス』(85)のテーマ曲のシングルは、ちょうどレコードからCDへと時代が移った頃だった。

 ジョージは、テリー・ギリアム監督の『バンデットQ』(81)をプロデュースし、「オ・ラ・イ・ナ・エ(ドリーム・アウェイ)」という曲も提供した。

 ちなみに、初めて買ったビートルズのレコードは、シングルが「ヘイ・ジュード」(「レボリューション」)、LPが『オールディーズ』で、少し後に小遣いをためて『青版』を買った。その後、さかのぼってビートルズのレコードを全部揃えるのはなかなか大変だった。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画音楽のサントラ盤と本命盤その2

2021-08-31 07:15:00 | 映画いろいろ

 何故か家にあったのが、『世界名画主題歌集 VOL.2 1939~1955 戦後編』(日本コロンビア)。箱入りのLP3枚組で42曲入りの豪華版で、ジャケット絵はジェームズ・ディーン。

無名の楽団やオーケストラの演奏と本人が歌ったものが半々で収録されていた。
『オズの魔法使』(39)「虹の彼方に」(ジュディ・ガーランド)
『センチメンタル・ジャーニー』(46)(ドリス・デイ)
『イースター・パレード』(48)(フレッド・アステア&ジュディ・ガーランド)
『腰抜け二挺拳銃』(48)「ボタンとリボン」(ダイナ・ショア)
『水着の女王』(49)「外は寒いよ」(エスター・ウィリアムズ)
『アニーよ銃をとれ』(50)「朝に太陽」(ベティ・八ットン)
『アンナ』(51)(シルバーナ・マンガーノ)
『ショウ・ボート』(51)「愛さずにはいられない」(エバ・ガードナー)
『旅愁』(51)「セプテンバー・ソング」(ウォルター・ヒューストン)
『雨に唄えば』(52)(ジーン・ケリー)
『カラミティ・ジェーン』(53)「シークレット・ラブ」(ドリス・デイ)
『紳士は金髪がお好き』(53)「バイ・バイ・ベイビー」(マリリン・モンロー)
『リリー』(53)「ハイ・リリ・ハイ・ロー」(レスリー・キャロン&メル・ファーラー)
『ローズマリー』(54)『インディアン・ラブ・コール』(アン・ブライス&フェルナンド・ラマス)
『スタア誕生』(55)「去りし君ゆえ」(ジュディ・ガーランド)
これは随分勉強になった。

歌入りのシングルも、映画とは全く違う人が歌ったものがあったので気を付けて買った覚えがある。

『大脱走』(63)『史上最大の作戦』(62)マーチ(ミッチ・ミラー合唱団)(『大脱走』は映画では合唱はない)
『追憶』(73)(バーブラ・ストライサンド)
『明日に向って撃て!』(69)「雨にぬれても」(B・J・トーマス)
『タワーリング・インフェルノ』(74)「愛のテーマ」(モーリン・マクガバン)
『ザ・ディープ』(77)(ドナ・サマー)
『人間の証明』(77)(ジョー山中)

高校から大学時代は、アルバイトができるようになったのでLPが少し買えるようになった。

『グレン・ミラー物語』(54)(ジョセフ・ガーシュイン&ヘンリー・マンシーニ)
『明日に向って撃て!』(69)(バート・バカラック)
『タクシードライバー』(76)(バーナード・ハーマン、トム・スコットのサックス)
『ロッキー』(76)(ビル・コンティ)
『サタデー・ナイト・フィーバー』(77)(ビージーズほか)
『ディア・ハンター』(78)(スタンリー・マイヤーズ、ジョン・ウィリアムズのギター)
『炎のランナー』(81)(ヴァンゲリス)
メインテーマ以外の“いい曲”が発見できたりする楽しみもあった。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画音楽のサントラ盤と本命盤その1

2021-08-30 14:18:56 | 映画いろいろ

 1970年代前半、中学生の頃、映画を見た余韻に浸って、なけなしの小遣いから、サウンドトラック(通称サントラ盤)のEP(シングルレコード)を随分買った。今は全て処分してしまったが…。

『荒野の七人』(60)『続荒野の七人』(66)(エルマー・バーンスタイン楽団)
『荒野の用心棒』(64)「さすらいの口笛」と『夕陽のガンマン』(65)(エンニオ・モリコーネ楽団)
『パピヨン』(73)(ジェリー・ゴールドスミス)
『スティング』(73)「エンターテイナー」「ソラス」(マービン・ハムリッシュ)
『エクソシスト』(73)「チューブラ・ベルズ」(マイク・オールドフィールド)…

 その他、「本命盤」などとうたっているが、実はサントラ盤ではなく、いわゆるパチモンを何枚か買ってしまい、後悔したことを覚えている。

『燃えよドラゴン』(73)『2001年宇宙の旅』(68)「ツァラトゥストラはかく語りき」(パーシー・フェイス・オーケストラ)
https://www.youtube.com/watch?v=x2PXziX6y-8
https://www.youtube.com/watch?v=wBC6lIOqWt8

『大地震』(74)『ザ・ヤクザ』(74)(モーリス・ローラン・オーケストラ)
『暗黒街のふたり』(73)『燃えつきた納屋』(73)『三銃士』(73)3本立てロードショー

『未知との遭遇』(77)のディスコバージョンなんていうのもあった。
https://www.youtube.com/watch?v=jlSUMdZfWbk

 極め付きは『栄光の映画主題曲集 SCREEN THEMES BEST 30』(elm)という2枚組のLPレコード。アクション映画や西部劇を中心にした構成で、演奏はスクリーン・シンフォニー・オーケストラとムービー・サウンド・オーケストラと書いてあった。

 曲の多さに引かれて買ったのだが、聴いてみると、ほとんどの曲がどこか調子はずれで、サントラとは程遠く、ひどくがっかりしたことを覚えているが、今となっては、アレンジが独特だった『栄光への脱出』(60)『バラキ』(72)『誇り高き男』(56)などをもう一度聴いてみたいと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=3ZuOsWxFcbU
https://www.youtube.com/watch?v=1CBuETWNxOQ

 有名なパーシー・フェイスは別にして、モーリス・ローランやスクリーン・シンフォニー、ムービー・サウンドという名のオーケストラは、多分レコード録音用に日本でにわかに編成されたものだろう。

 
 で、これはパチモンではないが、『エレファントマン』(80)のテレビコマーシャルのバックに流れる音楽、どこかで聴いたことがあると思ったら、シルベスター・スタローン主演の『フィスト』(78)(ビル・コンティ)の使い回しだったなんてこともあった。昔は大らかだったのだ。https://www.youtube.com/watch?v=4QrZoyBTDWs

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画音楽としてのラフマニノフ

2021-08-29 17:12:39 | 映画いろいろ

Eテレの「クラシックTV」でラフマニノフを特集していた。彼の音楽は甚だ映画音楽っぽい。だから映画の劇伴としてもよく使われる。

「ピアノ協奏曲第2番」
『逢びき』(45)
https://www.youtube.com/watch?v=odlQU2WjM0E
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/6656d135892f89a5ee867ce45b7c7437

『旅愁』(50)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2e226539f7063dd4cbc2720b9ec771ba

『七年目の浮気』(55)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a75fc327f4e19e25c942d6044a8885eb

「ラプソディ」(パガニーニの主題による狂詩曲)
『ある日どこかで』 (80)
https://www.youtube.com/watch?v=E6Ph_DVrCXE
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c0daf9574990b3b417ed4c1715b965ab

「ピアノ協奏曲第3番」
『シャイン』(96)
https://www.youtube.com/watch?v=N29WamXg4pY

白眉はやはり『ある日どこかで』だろう。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「香港映画のすべて」

2021-08-29 07:31:05 | 映画いろいろ

(2005.5.24.)

 3部構成、約2時間半の超大作。途中で寝るつもりだったが、結構面白くて最後まで見てしまった。

 「武侠映画の盛衰」
 日本で言えばチャンバラ。日本の時代劇に随分影響を受けていたんだなあ。とはいえ、ほとんど日本では未公開なので新鮮な驚き。そのばかさ加減がなんとも楽しい。

 「カンフー映画のヒーローたち」
 ヒーロー(ブルース・リー)と道化(ジャッキー・チェン)。やっぱりすごいわこの2人。

 「銀幕の女神たち」
 美女多し。目の保養? 彼女たちも日本にはほとんど紹介されなかったなあ。

 というわけで、一国の映画史を振り返ると、その国の側面が見えてくる。だから映画は面白い。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』

2021-08-29 07:12:19 | 新作映画を見てみた

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(2021.8.28.オンライン試写)

 漫画家同士の佐和子(黒木華)と俊夫(柄本佑)の夫婦。だが俊夫は漫画が描けなくなり、佐和子のアシスタントをしながら、編集者の千佳(奈緒)と不倫をしていた。

 そんな中、佐和子の新作漫画の原稿を盗み見た俊夫は、自分たちとそっくりな夫婦の姿に加えて、夫と編集者との不倫現場がリアルに描かれているのを知って驚く。そして、漫画には自動車教習所に通い始めた妻と自動車教習所の若い教官との恋も描かれていた…。

 この漫画は現実の写しなのか、ただの妄想なのか、それとも俊夫に対する佐和子の復讐なのか。漫画を読み進めていく中で、俊夫は恐怖と嫉妬におののき、現実と漫画との境界が曖昧になっていく。

 監督・脚本は「TSUTAYA CREATORS’PROGRAM」で準グランプリとTSUTAYAプレミアム賞を受賞した堀江貴大。漫画家夫婦の虚実を交えた心理戦を描きながら、映像と漫画が交錯していくところが映画ならではの表現として面白い。また、ラストのどんでん返し(ここでタイトルが生きる)に至るまで、虚実のやじろべえのバランスが一体左右のどちらに傾くのかといったような謎があって、これもまた面白い。

 さて、この映画を見ながら、逆パターンではあるが、酔った勢いで結婚した妻(ビルナ・リージ)の始末に困り果てた漫画家(ジャック・レモン)が、漫画の中で妻を殺してうっぷんを晴らしていたが、それを見た妻は自分が殺されると勘違いして…という、『女房の殺し方教えます』(64)のことを思い出した。

ジャック・レモンを2本『女房の殺し方教えます』『お熱いのがお好き』 
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d14b18bbe43c77d6908c7e8ca09c7383

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ブライズ・スピリット 夫をシェアしたくはありません!』

2021-08-28 10:22:36 | 新作映画を見てみた

『ブライズ・スピリット 夫をシェアしたくはありません!』(2021.8.27.オンライン試写)

 1930年代、ベストセラー作家のチャールズ(ダン・スティーブンス)は、スランプの真っただ中。というのも、彼の小説は事故死した最初の妻エルヴィラ(レスリー・マン)が語ったアイデアをまとめたものだったからだ。

 そんな中、面白半分に行った降霊会で、霊媒師のマダム・アルカティ(ジュディ・デンチ)がエルヴィラの霊を呼び戻し、チャールズとエルヴィラ、そして新しい妻のルース(アイラ・フィッシャー)を交えた奇妙な三角関係の生活が始まる。だから副題が「夫をシェアしたくはありません!」なのだが、これはちょっと余計だと思う。

 ノエル・カワードの原作戯曲は、デビッド・リーンが監督し、ロナルド・ニームが撮影した『陽気な幽霊』(45)をはじめ、何度か映画化されているが、今回は、テレビシリーズ「ダウントン・アビー」の監督の1人であるエドワード・ホールが監督して映画化した。

 もちろん、今の時代に昔の舞台劇をそのまま映画化するのでは能がないので、現代風のアレンジを施しながら、アールデコ調の大邸宅を舞台に、古典的な艶笑喜劇の再現を試みているのだが、残念ながらこの題材を消化し切れてはいない。何より粋なコメディになっていないのが最大の弱点だ。映像的には今の方が優れているのは明らかなのに、この違いはどこから生じるのだろう。これを舞台で見たら違和感はないのだろうか。

 『陽気な幽霊』は、昔テレビで見たが、後に『戦場にかける橋』(57)『アラビアのロレンス』(62)『ドクトル・ジバゴ』(65)など、スペクタクル映画の巨匠として君臨したリーンが、若かりし頃にはこんな小粋な映画を撮っていたのかと驚いた覚えがあるし、チャールズ役のレックス・ハリスンの芸達者ぶりにも目を見張るものがあった。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「BSシネマ」『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』

2021-08-28 07:15:25 | ブラウン管の映画館

『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(09)(2009.11.5.シネマサンシャイン松戸)

 この映画を見るまでは、まさかマイケルが、ここまで踊っているとは、歌っているとは思いもしなかった。晩年はスキャンダルにまみれ、過去の人の感が強かったマイケル。その全盛期をリアルタイムで知る者にとっては、何とも淋しい限りだった。だから、今回のコンサート復帰会見を見ても、正直なところ、おいおい大丈夫なのか、本当にできるのか、という気持ちの方が強かった。そして突然の訃報に、やはり…という感じがした。醜態をさらさずに済んで良かったなどと勝手に思ったりもした。

 ところが、この映画を見ると、希代のアーティスト、マイケル・ジャクソンはその死の直前まで健在だったことが分かって愕然とさせられた。さすがに全盛期と比べれば、踊りにも歌にも切れはない。だがそれを補って余りある存在感と鬼気迫る緊張感がここにはあった。

 見ているうちに、何だか切なくなってきた。これだけの才能を持ちながら、何故彼はスキャンダルにまみれなければならなかったのか、何故カムバック直前で早世しなければならなかったのかと。まさに天才の孤独。白くなったマイケルが、悲しみをたたえたピエロのようにも見えてしまう。

 そしてこの映画は、監督のケニー・オルテガをはじめ、マイケルと最後の熱いひと時を共にした仲間たちが、悔しさや惜別の思いを込めて贈った鎮魂歌だという気がする。「皆忘れていただろ、知らなかっただろ。マイケルは最後まで現役バリバリだったんだぜ」とでも言うように。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『許されざる者』

2021-08-27 09:57:17 | 映画いろいろ

『許されざる者』(92)(1993.6.17.渋谷東急)
頑固者に幸あれ

 この映画の監督・主演のクリント・イーストウッド、助演のジーン・ハックマン、そして『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』(92)のアル・パチーノ。この3人がそれぞれ監督、助演男優、主演男優賞を手にした今年のアカデミー賞の授賞式を見ながら、共に70年代のニューシネマ全盛期にピークを迎え、80年代にはスランプに陥り、90年代の今また復活してきた男たちの姿として、自分は勝手に“70年代の復讐”と呼んだ。

 とはいえ、ハックマンとパチーノに比べると、イーストウッドのキャリアには複雑なものがある。50年代にデビューするも、なかなか日の目を見ず、イタリアに渡ってセルジオ・レオーネによる一連のマカロニウエスタンに主演し、逆輸入の形でハリウッドに戻り、ドン・シーゲルと組んだ『ダーティハリー』(71)でやっとスターの座に就く。

 つまり、ハックマンやパチーノがニューシネマの到来とともに、時を得て登場してきたのとは明らかに違うし、その分、屈折度も激しいわけである。

 それ故か、彼が演じてきたキャラクターは、『ダーティハリー』シリーズのハリー・キャラハンを筆頭に、単純な正義の味方ではなく、善悪を超越した妖気やすご味を感じさせるものが多かった。

 加えて、監督作もデビューの『恐怖のメロディ』(71)から一貫して、一筋縄ではいかぬ異色作を作り続け、愛人のソンドラ・ロックを堂々とヒロインとして使い続けるなど、頑固なところもあったから、その毒気に当てられて、彼の映画を敬遠した時期もあった。つまり、いつの間にか自分にとっては苦手なタイプの監督兼俳優になっていたのである。

 そして、この映画は、その長所も短所も含めて、過去のイーストウッドの映画の集大成のようなものだと感じたし、ケビン・コスナーの『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(90)の登場で、もはや昔ながらの西部劇は作れなくなったと思ったが、この映画も暗く、屈折した西部劇になっていた。

 ただ、イーストウッドが不遇時代に仰ぎ見ていたであろう50年代の西部劇(例えば、アンソニー・マンの諸作)に対するこだわりは強く感じられたし、彼の持ち味である善悪の曖昧さが、最も強く出た映画であることは確かだと思う。

 結局、この映画は、人から何と言われようが、感傷に溺れることなく、自分の道を貫き通した頑固者の映画なのかと思ったら、何とラストのスーパーで、感傷たっぷりに「セルジオとドンに捧ぐ」と出たものだから、こちらも、あー頑固者も丸くなったのか、これが彼にとっての最後の西部劇になるのかもしれない、などとセンチな思いがこみ上げてきて、映画そのものへの思いとは違うところに心が飛んでしまい、ちょっと困った。

 ところで、イーストウッドが脇役を珍重することは分かっていたが、この映画にも「生きていたのかアンソニー・ジェームズ!」が出てくるなど、ここにも彼の一貫性というか、頑固さが示されている。

『荒野のストレンジャー』アンソニー・ジェームズ
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/fc02dd9f5e225f7dc92016707d839a69

   

『淀川長治の証言 20世紀映画のすべて』

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「BSシネマ」『地獄への逆襲』

2021-08-27 07:22:05 | ブラウン管の映画館

『地獄への逆襲』(40)

 弟ジェシー(タイロン・パワー)らと共に、列車強盗を繰り返し、西部を荒らし回っていたフランク・ジェームズ(ヘンリー・フォンダ)は、今は堅気となって農夫をしていた。ところが、弟が背後から撃たれて殺され、しかも犯人のボブ・フォード(ジョン・キャラダイン)は鉄道側の策略で無罪放免になったことを知り、復讐に立ち上がる…。

 無法者、ジェシー・ジェームズの半生を描いた『地獄への道』(39)の続編で、今回は兄のフランクが主人公。ドイツからアメリカへ渡ったフリッツ・ラング監督初の西部劇。新聞記者役で、これがデビュー作のジーン・ティアニーが花を添える。

『地獄への道』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9c24e861cc02f21bd9edf87b0d0925ec

『西部魂』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/fb396f6aa251249b7bf2af5d30331bcc

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする