田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「午後のロードショー」『ターミネーター』

2024-07-18 07:30:19 | ブラウン管の映画館

『ターミネーター』(84)

いざという時は女の方が強い
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8a4e2296a5fee2fd20da1be9dfaff326

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「BSシネマ」『敦煌』

2024-07-18 07:00:47 | ブラウン管の映画館

『敦煌』(88)(1988.8.20.日比谷スカラ座)

 11世紀、中国・宋の時代。科挙の試験に落ちた趙行徳(佐藤浩市)は、新たな希望を求めて新興国・西夏へと向かう。道中、西夏軍漢人部隊を率いる朱王礼(西田敏行)に徴用され同行することになった行徳は、人々との出会いや戦いを経て、敦煌の文化遺産を守るため奔走することになる。

 舞台は中国、シルクロード、砂漠と聞いて、『アラビアのロレンス』(61)のことを思い出し、果たして「ロレンス」のように自然の景観に負けない映画に仕上がっているのかという危惧が浮かんだ。

 加えて、この映画と同じく井上靖の原作を映画化した『天平の甍』(80)を見た際に感じた、中国人に扮した日本の役者が、日本語でセリフを語ることに対する違和感を覚えずに済むかということ。この2点が見る前に引っ掛かっていた。

 そして、見終わった今、そうした危惧が全て解消されてはいなかったが、この壮大なストーリーを、“大作職人監督”佐藤純彌がそつなくまとめていたし、日本映画も金さえ懸ければそれなりのスペクタクルシーンが撮れることも証明された。

 さらに、『アラビアのロレンス』のモーリス・ジャールを思わせるような、佐藤勝のスペクタクル音楽の良さも併せると、多少の不満は残るものの、スタッフ、キャストの健闘をたたえたくなった。

 何より、この映画は、戦乱と文化、無常観とロマンという、相反しながらも共存する歴史の持つ二面性を、原作の味を損なうことなく描いたところが見事だった。

 戦うことに命を懸けて散っていった朱王礼をはじめとする名もなき男たちと、敦煌の文化を必死に守り抜こうとした趙行徳ら無名の男たちを主役にし、実際に歴史に名を残した李元昊(渡瀬恒彦)や曹延恵(田村高廣)を脇役として描いているから、歴史の持つ皮肉や二面性を強く印象付けることができたのだと思う。そして、その背景には中国の壮大な国土や自然、長い歴史があり、それらが無言の内にこの映画を支えたのだ。

 ベルトルッチの『ラストエンペラー』(87)、スピルバーグの『太陽の帝国』(87)、そしてこの映画と、今や中国は映画の舞台として格好の場所になりつつつある。

【今の一言】30数年前は中国に対して、可能性を感じて、いいイメージを抱いていたのだ。

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「午後のロードショー」『ディープ・ブルー』

2024-07-17 08:30:07 | ブラウン管の映画館

『ディープ・ブルー』(99)

B級の上といったところか
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9557a189c1ad2575b289e8b3876b8ece

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「BSシネマ」『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』

2024-07-17 07:10:19 | ブラウン管の映画館

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11)

メリル・ストリープが3度目のアカデミー賞を受賞
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/24b5675eff7e8f725a7c3766252bcd89

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『ツイスターズ』

2024-07-16 12:42:24 | 新作映画を見てみた

『ツイスターズ』(2024.7.13.日本最速試写会.新宿ピカデリー)

 ニューヨークで自然災害を予測して被害を防ぐ仕事をしている気象学の天才ケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は、学生時代に起きた竜巻に関する悲しい出来事についてのトラウマを抱えていた。

 だが、故郷のオクラホマで史上最大規模の巨大竜巻が連続発生していることを知った彼女は、学生時代の友人ハビ(アンソニー・ラモス)に頼まれ、竜巻への対策のため故郷へ戻ることに。

 ケイトはハビや新たに出会ったストームチェイサー兼映像クリエイターのタイラー(グレン・パウエル)らとともに、前代未聞の計画で巨大竜巻に挑む。

 超巨大竜巻が多数発生したオクラホマを舞台に、知識も性格もバラバラな寄せ集めチームが竜巻に立ち向かう姿を描いたアクションアドベンチャー。

 『ミナリ』(20)のリー・アイザック・チョン監督がメガホンを取り、『レヴェナント 蘇えりし者』(15)のマーク・L・スミスが脚本を担当。製作総指揮はスティーブン・スピルバーグほか。

 『ツイスター』(96)以来、28年ぶりのスピルバーグ印の竜巻映画。その間、VFXの発達があり、竜巻を扱った映画も増えたが、やはりスピルバーグ印の映画は、いろいろな意味で一味違うと感じさせられた。

 さて、この映画と『ツイスター』との直接的なつながりはないが、共通点は前作の竜巻観測機の名前と今回の竜巻破壊装置の名前がどちらもドロシーであることと、劇中で映画が上映されているところ(『ツイスター』は『シャイニング』(80)、この映画は『フランケンシュタイン』(31))。

 なぜドロシーかというと、ドロシーは『オズの魔法使』(39)でジュディ・ガーランドが演じたヒロインの名前で、『オズの魔法使』は彼女が竜巻に家ごと巻き込まれて、不思議な「オズの国」に飛ばされる話だから。つまりドロシーは竜巻のイメージの象徴なのだ。
 
 おまけに、この映画では、竜巻追跡チームの中にスケアクロウ(かかし)やティンマン(ブリキ男)、ライオンといった『オズの魔法使』のキャラクターの名が付けられた分隊まであった。そんなディテールも面白かった。


『ツイスター』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/fdf96a8503441345aa52c474acda8ffc

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『インサイド・ヘッド2』

2024-07-16 10:40:57 | 新作映画を見てみた

『インサイド・ヘッド2』(2024.6.30.オズワルドシアター)

 少女ライリーを子どもの頃から見守ってきた「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」の感情たちは、転校先の学校にも慣れ、新しい友人もできたライリーが幸せに暮らせるようにと日々奮闘していた。

 そんなある日、高校入学を控え、人生の転機に直面したライリーの頭の中で、謎の警報が鳴り響く。戸惑うヨロコビたちの前に現れたのは、最悪の未来を想像してしまう「シンパイ」、誰かをうらやんでばかりいる「イイナー」、常に退屈&無気力な「ダリィ」、いつもモジモジして恥ずかしがっている「ハズカシ」という、ライリーが大人になるための新しい感情たちだった。

 人間の中にある感情たちの世界を舞台に描き、アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞したディズニー&ピクサーの『インサイド・ヘッド』(15)の続編。

 前作に続いてメグ・レフォーブが脚本を書き、『モンスターズ・ユニバーシティ』(13)のストーリースーパーバイザーを務めたケルシー・マンが監督を担当した。
 
 前作の、感情たちをキャラクターとして擬人化するという発想は面白いと思ったが、今回は主人公のライリーが思春期を迎え、さらに複雑な感情を抱くところがポイント。アイスホッケーをプレーするライリーの姿と彼女の中の感情たちの葛藤を並行して描くことで、サスペンス的な要素も引き出していた。

 とはいえ、正直なところ、思春期の女の子の気持ちは自分のようなおじさんには分からないと思っていたのだが、見ているうちに、自己嫌悪に陥ることが多かった大昔の思春期の頃を思い出してちょっと切なくなった。

 これならライリーの成長に沿って何本も映画が作れるのでは、嫌、それでは感情が増え過ぎて収拾がつかなくなるか、否、消える感情もあるかなどと、いろいろなことを考えさせられた。

 ピクサーアニメは、子どもを描くふりをしながら、実は大人向けに作られていることを示す1本という感じがした。


 『インサイド・ヘッド2』を見終わって、『47歳 人生のステータス』(17)のマイク・ホワイト監督にインタビューした際の、彼の言葉と通じるものがあると思った。

 「何かが引き金となって、いろんな気持ちが浮かんできて、それがアップダウンすることがあります。例えば、嵐のときは家から出られませんよね。そんなときは、頭の中で気持ちが激しくアップダウンします。じっとしていても、気持ちはアップダウンするわけです。その人間を外側から見れば、たいしたことはしていなくても、内側から見れば、それこそ生死に関わるような強烈なドラマが起きているんです」

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/4a1b27de7678a80bb6bd8e3aa2024910

 

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トランプ銃撃事件で思い出した『ダラスの熱い日』と『JFK』

2024-07-15 21:24:52 | 映画いろいろ

 ドナルド・トランプ前米大統領銃撃事件のニュースを見ていると、やはりジョン・F・ケネディ元米大統領のダラスでの暗殺事件を思い出す。あの事件を描いた映画は少なくないが、やはり『ダラスの熱い日』(73)『JFK』(91)が双璧だろう。

 

『ダラスの熱い日』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/dbea926ba4379b4765a978ca204cd7de

『JFK』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/966991f0bd96d57e8b00050d1b75291d

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【ドラマウォッチ】「ブラックペアン シーズン2」(第2話)

2024-07-15 11:09:57 | ドラマウォッチ

「天城先生のオペシーン最高にしびれた!」
「今日はアップルパイが食べたいな」

https://tvfan.kyodo.co.jp/news/topics/1440298

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『侍タイムスリッパー』

2024-07-15 00:29:39 | 新作映画を見てみた

『侍タイムスリッパー』(2024.6.15.オンライン試写)

 時は幕末、京の夜。会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)は、家老じきじきの「長州藩士を討て」という密命に従って暗闇に身を潜めていた。そして、新左衛門が長州藩士の山形彦九郎(庄野﨑謙)と名乗り合い刃を交えた刹那、落雷がとどろく。

 新左衛門が目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。新左衛門は行く先々で騒ぎを起こしながら、守ろうとした江戸幕府がとうの昔に滅んだと知りがく然となる。

 一度は死を覚悟したものの心優しい人々に助けられ、少しずつ元気を取り戻していく新左衛門。やがて「わが身を立てられるのはこれのみ」と刀を握り締め、新左衛門は磨き上げた剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として生きていくために撮影所の門をたたくのだった。

 侍が現代にタイムスリップする話としては、『SFソードキル』(86)は冷凍冬眠だったが、『ちょんまげぷりん』(10)『サムライせんせい』(18)がある。

 中でもこの映画は、本物の侍が時代劇の斬られ役になるという発想が面白い。コロナ下で資金集めもままならず、「自主映画で時代劇を撮る」という夢を諦めかけた安田淳一監督に、「脚本がオモロいから、なんとかしてやりたい」と、東映京都撮影所が救いの手を差し伸べたのだという。その結果、10人たらずの自主映画のロケ隊が時代劇の本場である東映京都で撮影を敢行するという奇跡が起きた。

 そんなこの映画は、新左衛門が陥るカルチャーギャップで大いに笑わせるが、山口らによる肝心の殺陣は本物。ワイヤアクションやCGとは無縁の世界だ。そこに斬られ役はもとより、時代劇や撮影所への愛があふれる。ちなみにこの映画は斬られ役の第一人者だった福本清三に捧げられている。とにかく山口が素晴らしい。

 その他、スター・風見恭一郎(冨家ノリマサ)、殺陣師・関本(峰蘭太郎)、西経寺住職(福田善晴)、住職の妻節子(紅萬子)、撮影所所長・井上(井上肇)、スター・錦京太郎=心配無用ノ介(田村ツトム)、斬られ役俳優・安藤(安藤彰則)ら、脇役たちも皆いい味を出している。

 安田監督は、脚本・照明・編集・他も担当、助監督山本優子役の沙倉ゆうのは助監督、制作、小道具も兼任している。そうした低予算の自主制作でここまでの映画を作ったことは称賛に値する。

 後日、試写会に伺った際に、安田監督、山口らとあいさつを交わした。映画の出来がいいので思わず応援したくなった。


「5万回斬られた男」福本清三逝く
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/81d34459805b942a4e1e357e5c5c446b

「あんちゃん」「あのお方」「清ちゃん」「顔の濃い人」「斬られ役」…福本清三
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/6e9194e32c07664ee8b0e5574ea10764

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「ロッド・サーリングの世界」

2024-07-14 13:02:13 | テレビ

「ロッド・サーリングの世界/ROD SERLING SUBMITTED FOR YOUR APPROVAL」(95)
 監督スーザン・レイシー、ナレーション:リー・グラント。スーパーチャンネルで放送されたもの。

 

 「ヘビー級選手への鎮魂歌/プレイハウス90/Requiem For A Heavyweight」(56)など生放送ドラマの50年代。番組ホストも務めた「トワイライトゾーン=ミステリーゾーン」(59~64)と映画脚本(『五月の七日間』(64)『クイーン・メリー号襲撃』(66)「夜空の大空港」(66・TVM)『猿の惑星』(68))の60年代。『四次元への招待』(70)のホストは望んだものではなく、『ザ・マン/大統領の椅子』(72)以外は不遇の晩年といったように、サーリングの足跡を分かりやすくまとめていた。


 ところで、スティーブン・スピルバーグ、ジョン・ランディス、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラーが監督したオムニバス映画『トワイライトゾーン/超次元の体験』(83)の日本公開に際し、ちょっとしたサーリング関連の出版ブームがあったことを思い出した。

『ミステリーゾーン』(83・文春文庫)
『トワイライトゾーン』 (角川文庫・ロバート・ブロック)
『真夜中の太陽』(83・山口書店)
『トワイライトゾーン オリジナル版 超次元の漂流者』(84・サラ・ブックス)
『月刊スターログ1984年2月号』「ミステリー・ゾーン読本(池田憲章」 
『ミステリーゾーン2』(86・文春文庫)
『トワイライト・ゾーン』 (88・河出サウンド文庫)
『ミステリーゾーン3』(89・文春文庫)
『ミステリーゾーン4』(94・文春文庫)

 

 

 

 80年代中盤には、NTVの「ナイトスクリーン」枠で「ミステリーゾーン」の第4シーズンが再放送され、90年には20世紀フォックス ホーム エンターテイメントからレンタル&セルビデオも出された。サーリングのファンにとっては、これらはとてもうれしい流れだった。


『トワイライトゾーン/超次元の体験』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/247bc6d654d5d777a442e45374de8763

『五月の七日間』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/fea0a93429245b99aa56cd632c0dab34

『猿の惑星』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/24026a23be3b2875458ed85a8c30f143


ロッド・サーリングの影響を受けた映画『Re:LIFE~リライフ~』(14)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/db442ff842e94604c29ff2ede7245bd1

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