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田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

脚本ジェームス三木「愛さずにはいられない」「煙が目にしみる」

2025-06-19 09:00:43 | テレビ

 ジェームス三木の脚本といえば、大河ドラマ「独眼竜政宗」(87)「八代将軍吉宗」(95)あたりが有名だが、自分としてはこの2作が印象に残っている。

銀河テレビ小説「愛さずにはいられない」(1980.11.7.)

 母・冨江(賀原夏子)と二人で暮らしている36歳独身の勝利(川谷拓三)は工務店で働くかたわら定時制高校に通っている。その高校で勝利は新任教師・麗子(根岸季衣)のことが好きになり、36歳になって初めて愛に目覚めた。

 川谷拓三が素晴らしい。中年男の哀感、持てない男の弱さ、学歴のなさに対する引け目などを実にうまく演じている。


銀河テレビ小説「煙が目にしみる」(1981.7.24.)

 

 去年の「愛さずにはいられない」に続いての脚本ジェームス三木、川谷拓三、根岸季衣共演の銀河テレビ小説第2作。将棋の世界を舞台に、前作とは男女の立場を逆転させて、プロ棋士を目指す根本信吾(川谷)と子持ちのフラメンコダンサー宮坂千草(根岸)の悲しくもおかしな恋愛模様を描く。

 プロ棋士の養成機関でもある奨励会に、30歳で四段にならなければ退会しなくてはならないという定年のような制度があるとは知らなかったが、考えてみれば、自分の才能のなさに気付きながら夢を追い続けていくよりも、こうしてきっぱりと「おまえはこの道ではこれだけの人間だからほかの道を探せ」と目の前に突き付けられた方がいいのかもしれないなどと思った。
 
 それにしてもジェームス三木という脚本家は、こんないいドラマを書くかと思えば、『瞳の中の訪問者』(77)「加山雄三のブラック・ジャック」(81)などという原作のイメージをぶち壊すようなものも書く。よく分からない人だ。とはいえ、「愛さずにはいられない」とこのドラマのラストはもろに映画『卒業』(67)からの頂きなんだけど…。

 

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「新幹線をつくった男たち~夢よ、もっと速く~」

2025-05-01 23:16:04 | テレビ

「新幹線をつくった男たち~夢よ、もっと速く~」(04)

 島秀雄(松本幸四郎)は戦前からD51などの蒸気機関車を多く設計した技術者で、戦前の弾丸列車計画にも関わった国鉄のエンジニアだったが、戦後、三鷹事件・桜木町事故など国鉄関連の鉄道事故や事件が多発し、その際の国鉄内部の責任のなすり合いに嫌気が差し、国鉄を退職した。

 それから4年余りの月日がたった。新たに十河信二(三國連太郎)が国鉄4代目総裁になり、島を住友金属から国鉄に呼び戻そうとする。最初は抵抗していた島も、東海道本線の輸送量を改善するための新幹線計画や、父の島安次郎のことなどを聞き、国鉄に戻る決心をする。

 国鉄技師長の島秀雄や当時の国鉄総裁の十河信二の新幹線開通までの苦闘を描いたテレビ東京開局40周年記念ドラマ。原作は高橋団吉の『新幹線をつくった男 島秀雄物語』。共演は高橋惠子、加藤治子、林隆三、橋爪淳、津嘉山正種、益岡徹、金田龍之介、鈴木瑞穂ほか。ナレーター:辻萬長、脚本:矢島正雄、演出:高橋一郎、音楽:渡辺貞夫。

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【ドラマウォッチ】「パラレル夫婦  死んだ“僕と妻”の真実」(第4話)

2025-04-23 15:36:09 | テレビ

「全員が怪しく思えてきた」
「幹太側に1人でもいいから仲間がほしい」

https://tvfan.kyodo.co.jp/news/topics/1470972

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「天下御免」

2025-04-21 20:38:46 | テレビ

 放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で、安田顕演じる平賀源内が亡くなった回の放送を見ながら、かつて源内を主人公にしたドラマ「天下御免」があったことを思い出していたら、源内を演じた山口崇の訃報が飛び込んできた。奇縁というべきか。山口崇といえば「大岡越前」の徳川吉宗も忘れ難い。

「天下御免」(71・NHK)

 

 享保年間、発明家の平賀源内が抜群の行動力と長崎で身につけた新知識を駆使し、権力に臆することなく次々に起こる難事件を解決する痛快時代劇。ゴミ問題、受験戦争など、放送当時の世相を絡め風刺を効かせ、時代劇でありながら度々現代の風景が登場する、“ニュー時代劇”として話題になった。当時、小学生だった自分にとっても、見ると元気が出る大好きなドラマだった。

 脚本は早坂暁、演出は岡崎栄ほか、音楽は山本直純、タイトルバックのイラストは黒鉄ヒロシ、ナレーションは水前寺清子。主なキャストは、平賀源内:山口崇、小野右京之介:林隆三、稲葉小僧:津坂匡章(現・秋野太作)、紅:中野良子、八萬:山田隆夫、杉田玄白:坂本九、前野良沢:内藤武敏、田沼意次:仲谷昇。

 最終回は田沼が失脚し、源内は獄死を装って気球に乗って日本から脱出。10年後に革命下のパリで市民たちを指揮したという見事な落ちがついた。


主題歌の「船出の歌」も大好きだった。作詞:早坂暁、作・編曲:山本直純、歌:山口崇、林隆三、津坂匡章

船出だぞ、船出だぞ。このうら船に帆を上げて。自由の風をつかまえろ、天天天下の御免丸。
風風風風、風はおいらがおこすんだ。おれたち皆が風なんだ。エイエイコーラのエイコーラ。

東に南に、西にも北にも吹きまくれ。とんなんしゃーぺーふきとばせ。天天天下の御免丸。
風風風風、どこへ行くのも風まかせ。自由の風よ吹きまくれ。シュラシュラシュララのシュラシュシュシュー。

あー我らが、天天天下の御免丸。その名も高し、おんぼろの天天天下の御免丸。
あー我らが、天天天下の御免丸。その名も高し、おんぼろの天天天下の御免丸。
御免丸。

https://www.youtube.com/watch?v=aszMhWN1uN0

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「Dの複合」

2025-04-13 09:21:45 | テレビ

「Dの複合」(93)

 これも中学生の頃に原作を読んで、よくこんなことを考えるものだと感心するとともに、作中に出てくるいろいろな場所に行きたくなった。

 

 あまり売れていない小説家の伊瀬忠隆(津川雅彦)は、天地社の雑誌『月刊 草枕』の依頼を受けて「僻地に伝説をさぐる旅」の連載を始めた。

 浦島太郎伝説の取材で、編集者の浜中(野村宏伸)と丹後半島の網野町を訪れるが、宿泊した木津温泉で、警察が近くの山林を捜索しているところに遭遇する。死体を埋めたという投書があったというが、後に同じ場所から「第二海竜丸」と記された木片が発見された。

 日本各地に残る民俗説話の世界と、現代の怨念にまつわる連続殺人事件との複合を描いた松本清張原作のミステリー。共演にいしだあゆみ、平幹二朗、森口瑤子、石丸謙二郎 。監督・長尾啓司、脚本・金子成人。

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「SHOGUN 将軍」ゴールデングローブ賞4冠受賞記念 浅野忠信緊急会見

2025-01-13 20:02:18 | テレビ

 「SHOGUN 将軍」ゴールデングローブ賞4冠受賞記念 緊急会見が、13日、東京都内で行われ、樫木藪重役で助演男優賞を受賞した浅野忠信が登壇した。

浅野忠信ゴールデングローブ賞受賞の瞬間は「すいません、ハリソンさん!」
https://tvfan.kyodo.co.jp/news/topics/1459491#google_vignette


「SHOGUN 将軍」がエミー賞の18部門で受賞
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/0031ba3671f214f90cf6daf1ef0d3dd8

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「ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~」ビビアン・リー 「没後10年 高倉健にあいたい」 「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」犬神家の一族~エンターテインメントの革命児たち~

2025-01-05 15:21:27 | テレビ

年末年始に見たNHKの映画関連ドキュメンタリー。

「ザ・プロファイラー~夢と野望の人生~」ビビアン・リー 愛に芝居に…燃え尽きるまで(2024.12.26.)

 

 「私は女優になりたいの。大女優に」演技の勉強もしていない学生のビビアン・リーは、こう言い放った。以降、女優の道をまい進。そして『風と共に去りぬ』(39)のスカーレット役を勝ち取る。役を生きるかのように演じ切り、アカデミー賞を受賞。私生活でも憧れの俳優ローレンス・オリビエと結婚するなど順調な人生を歩む。しかし何を演じてもスカーレットと言われ、思い悩むうちに精神を病んでしまう。そんな時に『欲望という名の電車』(51)で身を削るようなハードなブランチ役と巡り会うが…。


「没後10年 高倉健にあいたい」(2024.12.29.)

 高倉健没後10年の2024年。健さんをよく知る人々とのエピソードや生前の映像、言葉から、“日本一愛された男”の素顔を浮き彫りにしていく。出演は、山田洋次監督、佐藤浩市、武田鉄矢らかつての共演者たち。彼らが健さんから継承したものとは? 唯一無二のスタイルを作り出した高倉健が愛された理由を探っていく。

「没後10年高倉健の世界」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/61665843deec91d685ed38707ecc65cd

『任侠映画のスターたち』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/85483d84925a696f8b433dd5ed395419


「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」「犬神家の一族~エンターテインメントの革命児たち~」(2025.1.5.)

 映画『犬神家の一族』(76)誕生の舞台裏に迫る。おどろおどろしいマスク姿の佐清、せい惨な連続殺人、それにまつわる数々の謎をとぼけた表情で推理する名探偵・金田一耕助の物語は、日本中に強烈なインパクトを与えた。

 だが、映画製作の舞台裏には、日本のエンターテインメント界に革命を起こそうとした男たちの野心があった。映画未経験の出版社の若き社長・角川春樹&鬼才・市川崑監督、金田一役の石坂浩二の知られざる物語。

『犬神家の一族』4K修復版
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8a3ea11048287138d4a7de3d9183c507

市川崑は文芸映画の監督でもあった
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1c70eff55ee456f1dbeebf39ec5e6913

「悪魔が来りて笛を吹く」と角川映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/fd4ce566775e74e9d01cead0bff8b4d0

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「二百三高地 愛は死にますか」永島敏行 その1

2024-12-22 09:35:27 | テレビ

「二百三高地 愛は死にますか」(81)

 全8話の超大作ドラマ。その分、映画よりも細かいエピソードが描かれている。映画は伊豆大島でロケをしたが、ドラマは改めて御殿場でロケをしたとのこと。

 (主なキャスト。映画→ドラマ)、小賀武志(あおい輝彦→永島敏行=映画では乃木の次男・保典役)、佐知(夏目雅子→坂口良子)、牛若(佐藤允→橋本功)、九市(新沼謙治→山田隆夫)、米川(長谷川明男→山本亘)、梅谷(湯原昌幸→水森コウ太)、乃木希典(仲代達矢→田村高廣)、児玉源太郎(丹波哲郎→近藤洋介)、伊藤博文(森繫久彌→小沢栄太郎)明治天皇(三船敏郎→市川染五郎)。監督・舛田利雄ほか。テーマ曲は映画と同じくさだまさしの「防人の詩」。


『二百三高地』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/eaff362f2d6b326522d6cdc4d3c0bc84

 

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「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ」Season2(NHK)

2024-12-19 23:00:58 | テレビ

「鉄人をひろったよ」
 ある日、初老の男(風間杜夫)が通りがかりに助けた男から渡されたのは、巨大ロボットの操縦機だった。突然、SF世界に飛び込んだ男の選択は…?

「マイシェルター」
 マイホームを建てる夢を持った平凡なサラリーマン(浜野謙太)にセールスマン(田辺誠一)がシェルター建築を持ちかける。その話をきっかけに男が描いた未来像とは。

「アン子 大いに怒る」 
 中学生のアン子(新井美羽)の周りでは最近すこし不思議な現象が起きていた。そんな中、お人好しな父親(皆川猿時)が詐欺に引っかかった事を知ったアン子が大活躍!?

「3万3千平米」 
 夢のマイホーム建築まであと一歩。土地の下見を入念に繰り返す男(山寺宏一)のもとに突然現れた怪しい男(劇団ひとり)から持ちかけられたのは土地の“売却”依頼だった。

「あいつのタイムマシン」
 少年時代にタイムマシンを作る事を目標にした鉄夫(奥野瑛太)と正男(渡辺大知)。大人になってもいまだ実現を諦めない鉄夫が、その果てにたどり着いた驚くべき手段とは。

「じじぬき」
 絵に描いたような頑固な老人(泉谷しげる)。次第に周囲の人間を遠ざけ、遠ざけられる様になった老人が、死後の世界から見た景色とは果たして。

「旅人還る」森山未來
 地球を出発してからの時間も分からなくなるほど、ただ一人宇宙を漂った男(森山未來)。押し寄せる過去の記憶、その先に辿り着いた場所は。

「いけにえ」
 おととしに突然現れた宇宙船が居座り続けて、もはや日常となった頃、一人の平凡な男(一ノ瀬ワタル)の周辺が突然慌ただしくなり、そして知らされた宇宙人の目的とは?


「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/680ebec317472b25941368c1b79dc25a

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「題名のない音楽会」公開収録

2024-11-20 08:58:37 | テレビ

「題名のない音楽会」公開収録(2024.11.18.東京文化会館)

司会:石丸幹二、武内絵美
指揮:田中祐子、東京フィルハーモニー交響楽団

「クリスマス特集」
Cocomi(フルート)、カニササレアヤコ(笙)

「ミュージカル特集」
井上芳雄、屋比久知奈

人柄がにじみ出るような、石丸と竹内アナの歌と司会がなかなかよかった。


【インタビュー】『太陽とボレロ』石丸幹二
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/92d107c8df1a9851a1400808a0f38f57

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