TV fan Webに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
アカデミー賞に見る“実話映画”の流行について
今週の一言は↓
「オスカー像を毎日、磨きます!」
byエディ・レッドメイン
詳細はこちら↓
http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/989192
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『小さき声のカノン―選択する人々』の鎌仲ひとみ監督にインタビュー。
本作は、福島原発の事故後、福島で家族一緒に暮らすことを選択した母親たちが、葛藤しながらも子どもたちを守るための方法を模索し続ける姿、またその支援に携わる人々の姿を描いたドキュメンタリー映画。
震災、原発事故を挟んで、前作『ミツバチの羽音と地球の回転』(10)との間で何が変わったのか。
詳細は後ほど。
『小さき声のカノン―選択する人々』のホームページは↓
http://kamanaka.com/canon/
本来の作風に戻ったイーストウッド
クリント・イーストウッド監督の最新作。イラク戦争に四度従軍し、米軍史上最多の160人の敵を射殺した伝説の狙撃兵クリス・カイルの生涯を実話を基に描く。リアルな戦闘シーンの迫力に、これは本当に84歳の男が監督した映画なのかと舌を巻く。
ただ、本作の主眼は、アメリカ軍の正義や、戦争の善悪を描くことではなく、戦争の狂気に取りつかれる一方で、家族をこよなく愛する男の光と影や二面性、あるいはPTSD(戦争体験による後遺症)を描くことにある。
過去にイーストウッドが監督した戦争映画と比較すると、第二次大戦を描いた『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』(06)よりも、グレナダ侵攻を描いた『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(86)の方に近いか。
そして、肉体改造をしてカイル役に挑んだブラッドリー・クーパーが「この映画は暴力と正義が否応なく絡み合った時に影響を受ける人間性の問題を掘り下げるというイーストウッドの基準に合ったドラマだ」と語っているように、
本作には、イーストウッドが銃を媒介として善悪のはざまや曖昧さ、暴力の連鎖をドライに描いた『アウトロー』(76)『ペイルライダー』(85)『許されざる者』(92)といった西部劇(カイルが執着するイラク側の狙撃兵との関係の描き方などはまるで西部劇のようだ)、引いては『グラン・トリノ』(08)にも通じる一貫性が感じられる。
前作『ジャージー・ボーイズ』で“変化”を感じさせたイーストウッドだが、本作では本来の作風に戻ったとも言える。本作を見ると、イーストウッドにとっては『ジャージー・ボーイズ』こそが異色作だったことがよく分かる。
ベネット・ミラー監督の弟のセオドールが兄の言葉として『フォックスキャッチャー』についてこんなことを語った。「黒澤明監督が使った“間”。何も音がない静かなところで、イマジネーションを作り上げるということは、彼から学んだ部分でもある」と。
確かに黒澤映画は『酔いどれ天使』(48)『白痴』(51)『生きる』(52)『七人の侍』(54)『天国と地獄』(63)『赤ひげ』(65)などで、無音と有音を巧みに使い分けてメリハリを付け、緊張感にあふれたシーンを生み出していた。そして『フォックスキャッチャー』も、最近では珍しい“静かな”映画でありながら、そのことが逆にサスペンスを助長させる効果を上げていた。そういえば黒澤は「ルーカスの『スター・ウォーズ』は音を使い過ぎだよ」と言っていたなあ。
一方、イギリスを舞台にした喜劇『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』に主演したジョニー・デップは「これはピーター・セラーズの『ピンク・パンサー』映画のようなもの」と語ったが、さらに、「モルデカイの外見(ひげ、すきっ歯)は、イギリス人俳優のテリー・トーマスに影響されている。彼はとにかく奇妙でおかしな俳優で、小さな頃から大好きだったんだ」と明かした。
トーマスは60年代に活躍した喜劇俳優。『女房の殺し方教えます』(64)で演じたジャック・レモン扮する売れっ子漫画家の執事や、『素晴らしきヒコーキ野郎』(65)で演じた目的のためには手段を選ばないずる賢いアーミテージ卿が印象に残る。超有名な喜劇俳優というわけではないが、くせ者俳優が好きな者にとってはとても魅力的な人だった。
そうか、ジョニー・デップはテリー・トーマスが好きだったのか…。だとすれば、彼が『チャーリー・モルデカイ』をやりたいと思った気持ちも分からなくはないか。
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ラインアップは
幸せボケか!? ジョニー・デップ
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さて、熱海に続いて、箱根が出てくる映画では、小津安二郎の『彼岸花』(58)、駅前シリーズの『駅前番頭』(66)、箱根駅伝を描いた『風が強く吹いている』(09)などがある。
さらに調べていくと、獅子文六原作、川島雄三監督、加山雄三、星由里子共演の『箱根山』(62)という未見の映画を見つけた。この映画は“箱根戦争”と呼ばれた西武と小田急の勢力、利権争いをモデルに、二軒の旅館の対立を描いているらしい。ぜひ見てみたい。
帰りは運よく旧型ロマンスカーの展望席に座れ“富士見”を堪能。ロマンスカーといえば、空飛ぶ異次元列車として登場した「ウルトラQ」の最終回「あけてくれ!」が印象深い。初期のウルトラシリーズには小田急沿線がよく映った覚えがあるが、これは円谷プロが世田谷の砧にあったせいだろうか。
まずは東海道線の熱海から伊東線で一駅先の来宮へ。天然記念物の大楠のある来宮神社を訪れる。芸能の神様としても知られるここは、池松壮亮、橋本愛共演の青春映画『大人ドロップ』(14)に登場した。
一端、来宮駅まで戻り、今度は海を背に坂道を登り熱海梅園へ。園内は八分咲きの梅のいい香りが漂う。ここに作曲家、中山晋平の別荘が移築され、記念館となっていた。忘れられた大作曲家、中山については以前当ブログでもふれたことがある。
「東京音頭」の中山晋平と黒澤明の『生きる』はこちら↓
http://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/240c52b087410c9315520fa3f587f947
さて、熱海が出てくる映画といえば、老夫婦が訪れる小津安二郎の『東京物語』(53)、両雄が熱海城を壊し、もつれ合いながら海に落下する『キングコング対ゴジラ』(62)、子供を捜して怪獣が熱海に上陸する『大巨獣ガッパ』(67)、つかこうへい原作の『熱海殺人事件』(86)、三國連太郎が戦友会で訪れる山田洋次の『息子』(91)…、最近では草なぎ剛主演の『任侠ヘルパー』(12)がある。
ところで、妻が、確か相手役が上原謙で、ヒロインが熱海駅の待合室で一夜を明かす映画をテレビで見たが、タイトルも女優の名前も分からないという。心当たりがなかったので調べてみると、木村恵吾監督の新東宝映画『惜春』(52)で、ヒロインを演じたのは山根寿子だった。さすがにこれは見ていなかった。(続く)
ヒッチコックの『めまい』の影響も
エド・ハリスの一人二役が見もの
30年間連れ添った最愛の夫ギャレットを突然の事故で失ったニッキー。5年後、彼女は美術館で夫そっくりのトムと出会う。夫の面影を求めて、強引にトムに接近するニッキー。やがてトムもニッキーに引かれていくが…。
この映画には、ギャレットの死後、ヒッチコックの『めまい』(58)のポスターが映る場面がある。『めまい』はキム・ノバクが同一人物の一人二役を演じた。ジェームズ・スチュワート扮する元刑事の主人公は、それと知らずに、自殺したとされる女性の面影を瓜二つの女性に求める、という映画だった。
一方、この映画はエド・ハリスが別人を演じ分け、アネット・ベニング演じるニッキーは、それと知りながらトムにギャレットの面影を求める。そうした違いこそあれ、初めにポスターを映すことで『めまい』に影響を受けていることを正直に明かしている。その点は潔いというべきか。
ただ、ニッキーをかわいい女性と見るか、わがままな女性と見るか、はたまた偏執狂的な女性と見るかで、この映画に対する感慨は大きく異なると思われる。彼女に振り回されるトムが哀れに見えると思うのは男が抱く感慨なのか。
昨年亡くなったロビン・ウィリアムズが妻を亡くした隣人役で登場。役柄のせいか、なんだかとてもやつれて見えた。