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八重むぐら 茂れる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり

2020年10月09日 08時47分05秒 | 懐かしい小倉百人一首

昨年の何月だったか、書棚や押入れ、天袋等に詰め込まれていた古い書籍や辞書等を大胆に整理、処分したことが有った。その際に 多分 長男か次男かが学生時代に使っていたものだと思われる 文英堂の「小倉百人一首」(解説本・参考書の類)が目に止まり、パラパラッとページを捲ってみたところ、なかなか 詳しく、しかも分かりやすいもので、たちまち、子供の頃、正月になると 必ず家族でやっていた「百人一首かるた取り」を思い出して懐かしくなってしまい、今更、向学心・・なーんてものではなく ブログネタにでもしよう?、頭の体操にでもしよう?等と 思い込み、処分せずに 以後座右の書にしてしまっている。
季節は「秋」、「小倉百人一首」で 季節を詠んだ歌の中では、「秋」を詠んだ歌が 最も多いという。昨年秋にも一部取り上げたが その続きをしているところだ


小倉百人一首で「秋」を詠んだ歌 その9

八重むぐら 茂れる宿の さびしきに
人こそ見えね 秋は来にけり

出典 拾遺集(巻三)

歌番号
47

作者
恵慶法師

歌意
生い茂った葎(むぐら)等の雑草が蔓延っている
この寂しい宿(住居)に、人は誰一人として訪れてはこないが 
それでもさすがに秋だけは訪れてきたことだなあ・・。

注釈
八重むぐら・・幾重にも茂った葎(むぐら)、葎とは 茜科の蔓性雑草。

「河原院にて荒れたる宿に秋来るといふこころを人々よみ侍りけるに」
という詞書(ことばがき)が 付いている。
河原院とは 河原左大臣源融(みなもとのとおる)の住居のこと。
名園の跡を訪ねて多くの歌人が訪れたとされているが、
この歌を詠まれた頃には 荒れ果てていたものと推定される。

しみじみと秋の詠嘆を詠んだ歌である。

恵慶法師(えぎょうほうし)
播磨の国(兵庫県)の国分寺に所属していた僧侶・歌人、
清原元輔、大中臣能宣、平兼盛、紀時文等々の有名歌人と親しかった。

参考
この歌をもじった川柳
八重むぐら茂れる宿の無精者
蔓性の雑草が生い茂った家に住む男は 
まるで手入れもしない怠け者である。
この無精者めが・・・、の意。
耳が痛い!

 

 


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