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このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに

2020年10月25日 14時02分34秒 | 懐かしい小倉百人一首

(日光田母沢御用邸記念公園 2012年11月10日)

百人一首で「秋」を詠んだ歌 その11

このたびは ぬさもとりあえず 手向山
紅葉の錦 神のまにまに

出典 古今集(巻九)

歌番号
24

作者
管家(かんけ)(菅原道真)

歌意
今度の旅は急なことで お供えする幣(ぬさ)を用意することが出来ませんでした。そこで さしあたって この手向山の美しい錦織りのような紅葉をお供え致しますので 神様の御心のままにお受け取り下さい。

注釈
「このたび」・・「この度」と「この旅」との掛詞。
「ぬさ(幣)」・・布や紙を小さく切って作られたもので 
旅行者が安全を祈るため道祖神等に供えたもの。
「とりあえず」・・十分に用意出来ないという意味と 副詞の「とりあえず」との掛詞。
「手向山」・・道祖神等に手向け(神に捧げ)ながら越える山のことだが 京都から奈良へ行く途中に有る奈良山のことだろうと言われている。
「紅葉の錦」・・紅葉の美しさを錦(華麗な織物)に例えた言葉。
「神のまにまに」・・神様のお心のままにおまかせします。お心のままにお受け取り下さいの意。

古今集の詞書によると
この歌は 朱雀院(宇多天皇)が奈良へ行くのに同行した菅原道真が詠んだもの。
紅葉の美しさを詠んだものだが、
掛詞、比喩、縁語の細密な語法は 
いかにも漢詩人の達人菅原道真らしい歌である。

「菅家(かんけ)」
菅原道真(すがわらのみちざね)に対する尊称。
管公(かんこう)とも称された。
大宰府に左遷され、その地に没した文人官僚。
天満天神として祀られ、
「学問の神様」として後世に名を残している人物。

 


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