図書館から借りていた、平岩弓枝著、「はやぶさ新八御用旅(五)諏訪の妖狐」(講談社文庫)を読み終えた。本書は、南町奉行所、内与力隼新八郎が活躍する長編時代小説「はやぶさ新八御用帳シリーズ」に続く、「はやぶさ新八御用旅シリーズ」の第5弾目の作品である。長編小説ではあるが、小気味よい展開に引き込まれ、一気に読破出来たような気がする。
読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー 「読書記」に 書き留め置くことにしている。
▢目次
「発端」「展開」「終幕」
▢主な登場人物
隼新八郎(南町奉行所内与力、根岸肥前守鎮衛直属の家来で懐刀、新八)、
根岸肥前守鎮衛(南町奉行、隼新八郎の主君)
お鯉
大竹金吾(用部屋手付同心)、大久保源太(定廻り同心)、
藤助(岡っ引き)、松之助(岡っ引き)
鬼勘(元岡っ引き勘兵衛)、小かん(勘兵衛の娘、お初)、
川田屋徳兵衛、
今井嘉門(両替商)、富江、百合、
行山権八、森啓次郎、
新見仙十郎、新見友之助、千江、彦次郎、
庄市、庄太、
お霜、
勝姫(諏訪御料人)、柏木、
▢あらすじ
築地本願寺脇の水路で、白髪なのに肌や体つきは若く、町人か武家の女かも判然としない不思議な水死体があがった。懐中にしのばせた、観音像が彫られた紫水晶が唯一の手がかりだったが、身元は不明のまま。同じ頃、内藤新宿で、身延山詣に行ったはずの甲府勤番行山権八の惨殺体が見つかり、さらに、やはり築地本願寺脇の水路で川田屋徳兵衛の水死体があがった。下手人不明、事件に関連性が有るのか無いのか?、さらに、甲府勤番新見友之助が行方不明となり、新八郎は、根岸肥前守から、甲府への探索行を命じられる。まるで手がかり無し、謎だらけのまま、急遽、新八郎は、岡っ引きの藤助と甲府へ向かったが・・・。途中で、不可解な事件が続発、不穏な空気が流れ、甲府から、さらに諏訪へと探索行が続くのだった。
「正邪を明らかにせむと思し召すならば、明日夜半、須波乃湖(すわのうみ・諏訪湖)まで、御来駕給わりたく。狐」
一見、関係が無いかに見えた江戸の三つの事件が次第に繋がっていき、そこには、幕府を揺るがしかねない驚くべき真相が隠されていたのだった。
最後の最後まで謎、ミステリー、湯島天神下の鬼勘の家の2階に集まった、新八郎、大竹金吾、大久保源太が、一連の事件の復習するが、そこで、ようやく明らかになる真相も・・・。「えっ!、そうだったの」・・・、新八郎をも唖然とさせる場面多く、読者を楽しませる筋書きになっている。
江戸から諏訪まで、地図を見ながら、事件探索の展開と、同時に、当時の旅を楽しめるのも良い。
(つづく)
歴史ものの醍醐味は歩きなのと、旧暦表示なことです。
季節の感覚に、ほっとします。
江戸時代に、一時行っているようになります。
移動は歩きしかなかった時代、甲府から諏訪、1日?で・・、今の人間、余程の健脚でなければ、無理でしょう。小説ならではの醍醐味ですね。
コメントいただき有難うございます。