ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

長谷川、新井田、W世界戦

2005年04月16日 | 国内試合(世界タイトル)
これまで、日本では何度も「ダブル世界タイトルマッチ」という
形の興行が行われてきたが、日本人選手が揃って勝ったのは
実は今回が初めてである。


挑戦者としてリングに上がり、見事「快挙」と言える勝利を得たのが
関西の若きホープ、長谷川穂積。ここまで実に14度もの防衛を
果たしてきた歴戦の雄ウィラポンを攻略し、WBC世界バンタム級
王座を奪取したのだ。

名古屋では残念ながらこの試合を見ることは出来なかったのだが
(頼むよ中京テレビ・・・)、ネットで試合の模様を実況して
くれる人がいたので、手に汗握ってリロードを繰り返した
(大昔の「ラジオ中継」ってこんな感じだったんだろうか)。

序盤から、好調な長谷川が持ち前のスピードを生かしポイントを
奪っていく。しかし、最初は様子を見るのが王者ウィラポンの
いつものやり方だ。実際、中盤にはウィラポンがボディ責めで
優位に立ち始める。そういえば、一度はウィラポンをいい所まで
追い詰めた西岡利晃も、このボディ攻撃で失速したのだった。

しかしここからが素晴らしかった。どちらが勝っているか
分からなくなってきた終盤、長谷川が猛攻。これが勝敗を分けた。
接戦ではあったが、判定は長谷川・・・! ここまで45連勝、
6年半の長きに渡ってベルトを守ってきたウィラポンが、ついに
落城した瞬間だった。

確かに、ウィラポンには衰えがあったようだ。衰えたウィラポンにとり、
スピードが身上の長谷川は相性の悪い相手でもあったのだろう。
しかし、強打の王者に真っ向から立ち向かった長谷川の勇気、そして
それに打ち勝った技術の高さには感服するしかない。本当に、今後が
楽しみな新チャンピオンが誕生した。


なお、その前に行われたWBAミニマム級戦では、王者の新井田豊が
意外な苦戦を強いられながら、こちらも打ち合いに勝って2度目の
防衛を果たした。世界戦では未だにスカッとした勝ち方を
見せられていない新井田だが、個人的には彼の実力はまだまだこんな
もんじゃないと信じている。今後の成長に期待したいと思う。


コメントを投稿