ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

WBC世界ミニマム級TM イサーク・ブストスvs高山勝成

2005年04月04日 | 国内試合(世界タイトル)
今日行われたWBC世界ミニマム級タイトルマッチで、挑戦者の
高山勝成が王者イサーク・ブストスから判定で王座を奪取、
日本ボクシング史上50人目の世界チャンピオンになった。

何もしない間に前王者イーグル京和が負傷してしまった
ことによる幸運な王座奪取を果たし、チャンピオンでありながら
ある意味未だにその実力がベールに包まれていたブストスだが、
やはりどうしようもなく弱かったことが判明した。

ニュースでの断片的な映像を見る限り、高山は持てる能力を発揮し、
本当によくやったと思う。しかし相手が相手だけに、どうも素直に
喜ぶことができない。もちろん、高山本人には何の文句もないわけだが・・・。

初防衛戦はイーグルとやることがほぼ確定しているそうだ。
早くもほとんどの人があっさり王座を失うと予想しているが、
果たしてどうなるんだろうか。まあ仮に負けたとしても、高山が
世界チャンピオンとして歴史に名を刻んだ事実は変らないのだが。
それに高山はまだ21歳。負けても充分に巻き返しの利く年齢だ。

とっても弱いチャンピオンに挑戦するという、まさに一生に
一度かもしれないチャンスを見事に生かした高山。その意味では、
確かによくやったと言えるだろう。


日本S・フライ級TM 田中聖二vs名城信男

2005年04月04日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
新鋭・名城信男が、6戦目で衝撃の王座奪取を果たした。
最終ラウンドTKOで田中聖二を破り、日本スーパー・
フライ級王座を獲得したのだ。

あくまで雑誌やネットでの観戦記を見ただけでの感想だが、
わずか6戦目なのに、最後まで切れないスタミナが
まず凄いと思った。名城は前々回の試合で日本ランカーの
竹田津を、そして前の試合では何と世界に2度挑んで善戦した
本田秀伸を下し、一気に名を上げた選手だ。

これで、資格の上では充分に世界挑戦してもいい実績を作ったと
言える名城。実際に次で世界タイトルに挑む計画もあるそうだが、
これだけの逸材は滅多に現れるものではないのだから(亀田なんて、
少なくとも現時点では話題先行の色物に過ぎない)、大事にキャリアを
積んで、満を持して挑戦してもらいたいと個人的には思う。

もう一つ衝撃的だったのは、前王者となった田中が
試合後に倒れ、意識不明の重態になってしまったこと。
日本タイトルマッチでこういった事故が起こるのは
非常に稀なことだ。田中選手の回復を祈ります。