▲着物・帯・タピスリー・マフラー・額絵などが展示
『いつの頃からだろう。私の心の中に一人の少女が棲みついている。
春、倉科の里が霞のような淡い杏の花に染め上げられるころになると、少女はふっと訪れて、風のような音楽を奏でていくのだ。
イメージのなかの「少女」と「音楽」を杏の絵絣に織りこんでみたい。そう思ったら子どもの頃が恋しくなった。・・・』
(「杏の花に誘われて」 窪田孟恒 著 より)
窪田先生との親交はもう15年以上になるだろうか。もの静かで優しいお人柄、創作に対する情熱はもの凄い。
そんな先生から戴く手紙は正に芸術作品、私の宝物になって保存されている。
この絵手紙によく描かれているのが、髪を風になびかせ音楽を奏でる少女である。
今年も信濃観月苑で『窪田孟恒の仕事 あんずの命を絣に織る』が開催されています。
絵絣の型紙を作り、絵台に張られた種糸に絵刷りをし、図柄となる部分が染まらないように細かな括り作業をする。
そして、杏の木を煮出して作られた染液で糸を染め、製織の段階を経て作品の完成となる。
こうした気が遠くなるような長い時間を掛けられた作品には、髪を風になびかせている少女や小鳥、川魚、落ち葉の精が登場しています。
着物・帯・タピスリー・マフラー・額絵など、展示作品を見るだけでも楽しく、窪田先生の絵絣の世界に引き込まれいきます。
8月22日(金)から8月28日(木)まで開催中、皆様のご来苑をお待ちしております。
▼少女の絵柄の絵絣
▼窪田先生ご夫妻と研修生の永岡さん
▼先生から戴く手紙は芸術作品