▲「日本の農山漁村が輝くとき」と題しての姜尚中先生の講演
7月14日・15日の2日間、木島平村において全国村長サミットin木島平が開催され、全国から48村長(代理含む)及び関係者が出席し、今後の村の発展について研究・討議がされた。
かつては、農村、山村、漁村は人が生きるに必要な「もの」を生み出し、国土の基盤をなす「森」「山」「川」「海」はそこに住む人々の日々の生業(なりわい)によって守られてきた。しかし、近年は国土のわずかな面積を持つ都市部に人が集中し「村」を支える人が減少した結果、食料など「もの」の生産は危ぶまれ、国土の荒廃は止まらない情況になった。
平成5年度当初には581あった村は、平成の大合併により184に大きく減少した。
こうした中で、「村」に住むことに誇りを持てる豊かで元気な村をどのように創出していくか、基調講演、分科会、交流会、全体討論で研究を深めた。
「食を生み、それにより子どもを生み育ててきた」という、人類が昔からしてきた大切なことが今忘れられようとしている。だから、1.5%の農業より98.5%の工業が重要だというような馬鹿げた発言が飛び出すという。
千年に一度という地球規模の大きな災害発生時に、日本の都市は生き残れるのか疑問だという。
昨年の3・11大震災から国民多くの考えが少し変わってきたという。それは、実物経済(対貨幣経済)が重視され、「人間の良い生き方」は農山漁村で探せることに気づき始めたということだ。日本の原風景が残る農山漁村に住みたい人が増加しているという。
我々は今後、日本固有の歴史・文化を創り出してきた農山漁村の文化を継承・発展させ、人の命を守る「緑と食」の維持・生産に誇りを持って携われる仕組みの構築に、そして国と国民を守ることを都市と協働の事業として推進していくことに、全国の村長が連携していくということを確認し合い村長サミットを閉じた。
▼分科会では各村から課題等が出された