張家口市蔚県でのはじめての植樹活動です。植えたのはマツ(油松)で、直径20cmあまりのポリポットで育てられた苗を植えました。
せっかくのポット苗なのに、なかの土が乾いています。植える前に水をやるのが日本の流儀ですが、中国では専門家のなかにも、植えるまでは水を切っておいて植えてからやるほうがいいという人がいます。
中国側の説をまったく無視できないのは、いかにも漢方的な独特の考え方があり、それがあたっ . . . 本文を読む
張家口市蔚県での最初の植樹は2017年4月におこないました。日本からの最初の協力ツアーには27人の参加がありました。
植えたのは柏樹郷永寧寨村の背後の山の中腹です。2か月前に訪れたときはすべてが冬景色で、なんの準備もされていませんでしたが、このときまでに重機2台がはいって、幅6mほどの作業道をずっと先まで造成し、いまも作業中でした。
植えるのはマツ(油松)の苗で、直径20cm余りの大きなポリポット . . . 本文を読む
中国山西省大同市での緑化協力は1992年1月からはじめました。近年は大規模な国家プロジェクトが集中し、全体として緑が濃くなり、風景が一変しました。
そこで2016年度から東隣りの河北省張家口市蔚県で新たなプロジェクトに取り組むことにしました。
地図でおわかりのように、大同市広霊県と地続きのところにあり、河北省の西北部の4県は黄土高原に属するという規定もあるので、このブログもそのままのタイトル . . . 本文を読む
こう花の写真を並べてみると、紫の花が多いのに気づきます。これの中国名は「藍刺頭」(Echinops latifolius)で、名前そのままですね。丸いのが1つの花ではなく、小さな花がたくさんまとまって丸くなっているわけです。
日本のヒゴタイとよく似ているんですけど、同じものでしょうか。ヒゴタイは九州をはじめ西日本のどちらかというと暖地に分布していますけど、中国のこれはけっこう寒いところです。
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キンポウゲ科トリカブト属の草花で、レイジンソウ(のなかま)です。中国名は牛扁といいます。花の形からトリカブトのなかまであることがわかりますが、花がクリーム色です。水のそばが好きなようで、管理棟から南天門に登る途中の右側、沢筋にあります。
もとからそこにあったものか、外から持ち込んだものか、いま私にはわかりません。河北省の野三坡、小五台山などの自然保護区を、南天門自然植物園のスタッフたちといっしょ . . . 本文を読む
トリカブトの一種ですが、種類はとても多いようなので、細かなところまではわかりません。もともと園内にはなかったのですが、近くの山から根株を採ってきて植えたものです。管理棟の真向かいの斜面下部に植えてあります。
花のかたちがおもしろいし、紫の花色がすきで、私のすきな花のひとつです。
猛毒があり、とくに根に多いそうです。花をみたことのない人でも、トリカブト殺人事件のことは知っているかもしれません。い . . . 本文を読む
南天門自然植物園の管理棟からちょっと登ったところに、直径10mほどの小さな池があります。そこから左へ小道をたどると、50mほど行ったところに2か所、小さな湧き水があります。こんなに小さくても中国では「泉水」です。さっきの池は、この泉水が貯まっているもの。
そして、湧き水の周囲が湿地ふうになっていて、そこの中心をなすのがこのウメバチソウ(梅花草)。でも、草丈も花の大きさも日本のものよりずっと大きく . . . 本文を読む
これは灌木です。南天門自然植物園の日向斜面にたくさん生えていて、ふつうなら写真を撮る気にもならないんですけど、あまりにもみごとに花がついていたので、ついシャッターを切ったのでしょう。2004年7月の撮影です。
このときからデジタル一眼レフに換えています。それまではフィルムでしたので、遠慮しながら撮影していたんですけど、このときから急に撮影枚数がふえています。
ニンジンボク(荊条 Vitex n . . . 本文を読む
これは南天門自然植物園の敷地内ではなかったんですけど、近くですから許してもらいましょう。いまでも忘れません。2006年7月だったと思うのですが、ツアーに参加していた稲井由美さんが山中でみつけ、立花先生のところにもってきました。その後、霊丘の空中草原でなんどもみました。
草丈は50cmほど。花の直径が5㎝前後もあり、ほんとに豪華な花です。中国名は「金蓮花」(Trollius chinensis)で . . . 本文を読む
南天門自然植物園にはきれいな花も多いのです。緯度が40度近くで、海抜が900~1300mほどですから、日本でいえば高山植物といったところでしょうか。でも、夏の日中は気温がけっこう上がりますので、暑さにも強いですね。
これから何回か、草花をみていただきましょう。最初に登場するのはこれ。いつもヒエンソウ(飛燕草)と呼んでいたのですが、手元のポケット図鑑によると、これは「翠雀」(Delphinium . . . 本文を読む
日向斜面を遠くからみると、緑はまばらで、土や岩石の表面がみえているところが多いのですが、近づくと、こんなふうにけっこう繁っています。
日陰斜面と比べて、大きくちがっているのは、喬木が少なく、灌木が中心になっていること。でも、ぽつぽつとナラなどの喬木の苗も育っていますので、そのうちにまた変わるかもしれません。
いちばん多いのは、ニンジンボクと灌木のトネリコ(小葉白蝋樹)です。とくにトネリコは、1 . . . 本文を読む
乾燥地の植物にみなさん、どういうイメージをお持ちでしょうか? 厳しい環境にジッと耐え、けなげに生き抜いている。そういう例も多いのでしょうけど、そのいっぽう、私たちが想像できないくらい、強く、勢いがあり、生き生きしているものも少なくありません。
地面に落ちた種は、ちょっとでも雨がふると、すぐに発芽して、わずかの土、わずかの水分で育ちます。一例をあげると、イトハユリ(山丹)は光沢のある濃い朱色の花を . . . 本文を読む
南天門自然植物園のことを紹介するとき、北向きの日陰斜面(陰坡)の樹木の生育ぶりに触れることが多いのですが、南向きの日向斜面の変化もそれに劣らず大きいのです。
南斜面は乾燥その他のために一般的に植物が育ちにくいのです。となると、雨のたびに土が流されて、岩盤がむき出しになっているところまであり、そのようなところでは植物が育たない。悪循環ですね。
南天門自然植物園も例外でなく、何回か前に2000年夏 . . . 本文を読む
大同に通うようになった1992年以降、年平均5回は行っているんですけど、まったく行っていない月があります。2月と6月。2月は寒くて野外での活動ができないうえに、たいてい春節(旧正月)があり、中国人にとっては家族団欒のときですから、そのジャマをしたくない。
6月は、植栽に不向きな時期です。若葉が広がったばかりで、移すのはよくない。そのうえ7、8月ほど雨が降りません。日本では総会の開催が6月で、離れ . . . 本文を読む
南天門自然植物園の写真をつかうとき、着工当初の写真は冬~初春のもの、最近のものは夏の緑の濃い写真というわけで、ちょっとインチキっぽいですね。
で、今回は2000年夏の写真をみてもらいましょう。この年は雨があったので、その前年や翌年より、ずっと緑が濃かったのです。ただ、特徴的なことがありました。キンポウゲ科を中心とする毒のある植物と、鋭い刺をもつ灌木がめだったことです。これはヒツジやヤギ、そして下 . . . 本文を読む