1129話)南天門自然植物園の変遷(17)

日向斜面を遠くからみると、緑はまばらで、土や岩石の表面がみえているところが多いのですが、近づくと、こんなふうにけっこう繁っています。

日陰斜面と比べて、大きくちがっているのは、喬木が少なく、灌木が中心になっていること。でも、ぽつぽつとナラなどの喬木の苗も育っていますので、そのうちにまた変わるかもしれません。

いちばん多いのは、ニンジンボクと灌木のトネリコ(小葉白蝋樹)です。とくにトネリコは、1つの株で、多いものは200本にもなっています。根元からつぎつぎに萌芽して大きな群落をつくります。

同じ灌木でも、この地方にとくに多い、虎榛子やシモツケ(綉線菊)は、そのほとんどが日陰斜面に生えています。

じつは失敗があります。この写真のあたりに20m四方の調査区をつくりました。日陰斜面に1つ、日向斜面に1つ設置して、樹高と胸高直径を測ることにしていたのです。ところが、それがムリになりました。こんなに繁ってきたら、なかにはいることができません。

日向斜面の特徴の1つは、木本にしろ、草本にしろ、種類の多いことです。日陰斜面では、森林が育つにつれて、植物の種類は減っていきますが、日向斜面ではいまのところそういうことはありません。ノモモ(山桃)、シナノミザクラ(桜桃)などのように花のきれいな樹木があるのはうれしいことです。

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