1125話)南天門自然植物園の変遷(13)

南天門自然植物園の写真をつかうとき、着工当初の写真は冬~初春のもの、最近のものは夏の緑の濃い写真というわけで、ちょっとインチキっぽいですね。

で、今回は2000年夏の写真をみてもらいましょう。この年は雨があったので、その前年や翌年より、ずっと緑が濃かったのです。ただ、特徴的なことがありました。キンポウゲ科を中心とする毒のある植物と、鋭い刺をもつ灌木がめだったことです。これはヒツジやヤギ、そして下のほうではウシといった家畜の放牧の影響が強かったということです。

敷地の北西の場所から、南東方向にむかってカメラを向けています。ですので、画面で左をむいている斜面が北向きの日陰斜面(中国語で陰坡)、右をむいているのが南向きの日向斜面(陽坡)です。陰坡のほうが植物の育ちがよく、陽坡は土も流されて岩盤がむき出しになっているところが多かったのです。

陰坡で、黒く影のようになっているのは灌木で、カバノキ科の虎榛子(Ostryopsis davidiana Decaisne)、とバラ科のシモツケが中心でした。これらは放牧のヒツジ、ヤギの標的になり、どちらも先端がなくなり、せいぜい膝や腰の高さしかありませんでした。

ヤギやヒツジは急斜面にも入り込みますが、稜線にある踏み分け道がかれらの幹線であり、休憩所でした。そのために、ここには厚く糞がたまり、強烈なアンモニア臭がただよっていたものです。
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