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秋葉原の事件について、書こうかどうか迷ったのだが
ちょっと思い出したことがあったので書いてみたい。
1997年に神戸連続児童殺傷事件という事件があった。
その頃一緒に仕事をしていた、精神保健学の博士号を
持つ人(既婚、子供なし)はこういう風に言っていた。
「数多くの犯罪者のプロファイルを研究した結果、
ああいう事件を起こすか起こさないかは本当に
紙一重のところで決まるし、一定の確率で必ず
事件は発生するというか犯罪者は発生する。」
「自分が子供を作らないのは、自分の子供が絶対に
ああいう事件を起こさないという確率がゼロである
とは言い切れず、もしそういうことが起きた場合は
本人だけでなく親の人生にも確実に影響がある。」
「実際、その場合は影響があるどころの話ではなくて、
多分親である自分の人生をひっくり返すくらいの
インパクトが、自分の力ではコントロールできない、
子供という自分とは別人格の存在によって起こされる。」
「自分はそのリスクを非常に大きなものと感じているので、
人生が何度もあるならともかく、たった一度しかない
自分の人生で子供を作ろうとは思わない、思えない。。。」
「もちろん、その分社会保険料や税金の控除を受けることが
できなかったり、老後の面倒をみてくれる存在はいないかも
しれないが、それは自分がそういう選択をしたことによる
自己責任として、子供とは別の方法で考えるつもりだ。」
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最初にこの話を聞いたときは、何て大げさなことを
言うのだろう、偽悪者なんじゃないか、と思ったものだ。
だけど、最近の凶悪犯罪を見ていて思う。自分自身については
何とか精神的にコントロール、制御できる自信があるとしても、
自分の子供が絶対にそういうことを起こさないと言い切れる
親が、いったい世の中にどれだけいるだろうか?
あの両親だって、子供に良かれと思って育てたのだと思う。
どこかでボタンを掛け違えたのは不幸なことだったと思うけど、
その責任は今さら求めようがない。ただ、確実に言えることは
両親の人生にも間違いなく影響を与える結果になってしまった、
ということだ。
そして、一度起きてしまったら時計を元に戻すことは出来ない。
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何が言いたいかというと、子供を産み育てるということは、
親の人生においてもそういうリスクを完全にゼロにする
ことは出来なくなる選択をする、ということだ。
血がつながっていてDNAを受け継いでいても、結局は
別の人格を持つ別の人間、独立した存在なのだから。
いつまでも親の教育でコントロールできるわけがない、
と思わなければいけないのではないだろうか。
それでいて、25歳になってから何かが起きたとしても、
産み育てた親は全く無関係というわけにはいかないし、
必ず親の人生にも影響が、それも甚大な影響が起こる。
もちろんそのときは受け入れなければいけないのだろう。
ただ、それだけの覚悟を持って子供を産み育てられるのか?
と考えたとき、10年前に聞いた言葉は非常に重い。。。
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本来、子供がそこまで思い至るならば、何も起きないはずなのだけど。
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