広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

車の色は空の色

2012-10-29 23:07:18 | 秋田のいろいろ
「これは、レモンのにおいですか。」
ほりばたで乗せたお客のしんしが、話しかけました。
「いいえ、夏みかんですよ。」
信号が赤なので、ブレーキをかけてから、運転手の松井さんは、にこにこして答えました。

昔、小学校で国語の時間に習った、あまんきみこ作「白いぼうし」の書き出しである。
秋田市立(合併前は雄和・河辺町立も含む)の学校では、国語の教科書に「光村図書出版」のものを採択しており、現在も続いている。(ちなみに、現在は秋大附小を含む秋田県内すべての小学校で同社の国語教科書を採択している模様)

光村図書出版のホームページを見ると、現在も、4年生上巻「かがやき(1冊ごとにタイトルが付いている)」の最初から2つ目の作品(単元としては最初)に「白いぼうし」が掲載されている。(少なくとも現在は)小4の春に習っていることになる。
僕たちの時も、小4の教科書が「かがやき」という名前だったので懐かしいけれど、「白いぼうし」がそれに載っていた記憶はなかった。もっと低い学年で習ったような気がしていたが…


ところで、「白いぼうし」はシリーズの中の1作品で、シリーズ名は「車のいろは空のいろ」。
タクシー運転手の「松井さん(下の名は五郎らしい)」が乗務するタクシー車内で起こる、ファンタスティックな出来事が綴られた作品。
ポプラ社刊行の本の挿絵によれば、「車のいろは空のいろ」というだけあって松井さんの勤務する「春野タクシー」は、青い車体。(ラインが入っていることが多いようだ)


さて、供給過剰気味と言われる、秋田市のタクシー。タクシー会社の統廃合や新規設立もあったが、最近は落ち着いたか。
秋田駅西口で待機するタクシー
秋田のタクシーは白っぽい車体のものが多い感じがするけれど、
青っぽいのはこれ!
秋田市では老舗であり大手の「あさひタクシー」は水色の車体だ。「空の色」とはちょっと違うが、秋田市内ではいちばん青いタクシーだろう。

あさひタクシーは、秋田駅前で客待ちをすることはないようだ(ホテルなどに専用の待機場があることが多い)。
あさひタクシーは、たしか他社より若干料金体系が安かった気がするから、その関係で遠慮しているのか。
また、あさひタクシーと同様に大手であるキングタクシーや国際タクシーも秋田駅ではあまり見ないから、その辺り(中小事業者への配慮)も関係しているのか。
あさひタクシー専用乗り場
【30日追記】必ずしも専用乗り場というわけでもないようだ。あさひが多い乗り場に他社のタクシーが1台だけ(複数の会社)混ざっているのを時々見るし、駅前にあさひタクシーがいるのも見かけた。


ここ最近、何週間かで、時々見るようになったタクシーがある。(もしかしたらもっと前からあったのかもしれない)
車のいろは空のいろ?!
屋根上の行灯の注目していただきたい。
「あさひ」とある。これもあさひタクシー!!
色が濃い車体のあさひタクシーが走るようになったのだ。
真っ青ではなく濃い水色にも見え、本の挿絵の色に近い。これはまさに「車のいろは空のいろ」。

従来の薄い色の車と同様、前のドアに「あさひ」と書いてあるのだが配色が違う上、若干小さい文字になったので、初めて見た時は行灯を確認するまで、これがあさひタクシーだとはにわかに信じられなかった。
新旧比較

新旧で色以外には車種が違う。※秋田のタクシーは「小型タクシー」と呼ばれるサイズが主流
今まであさひタクシーでは「日産クルー」のみを導入していたようだ。
タクシー専用車として1993年から発売されていた車種だが、2009年に生産終了となり、日産のタクシー用車種は基本的にはなくなった。
※クルー登場前はブルーバードやローレルがタクシー用として存在。クルーにはパトカーや教習車仕様もあった。

新しい色の濃い車は「トヨタコンフォート」。※「クラウンコンフォート」というタクシー用車種もあるが、それはやや大きい、中型タクシーサイズ。
クルーに追随して1995年に発売されたタクシー用車種(当時のマーク2がベース)で、最近まではクルーとコンフォートで、日本の小型タクシーのシェアを2分していた。
しかし、上のほうの秋田駅前に並ぶタクシーの写真を見て分かるように、現在の秋田では7割方がコンフォートになっていて、クルーが数を減らしているのが伺える。

クルー生産終了後の2009年から今まで、あさひタクシーで新車を入れなかったとは考えにくい。既に何台かコンフォートが導入されていたのかもしれない。
あさひタクシーのホームページを見ると、「小型タクシー(黒)」として黒いコンフォートの写真を掲載しているので、今までは水色でなく黒いボディでコンフォートを導入していたということだろうか?
【30日追記】従来の薄い水色のコンフォート(303号車)を見かけた。(そういえば前にも見たことがあった)
したがって、あさひタクシーの小型車は[クルーの薄い水色(最多数派)][コンフォートの薄い水色(少数)][コンフォートの黒(少数)][コンフォートの濃い水色(今後増える?)]の4タイプが存在するようだ。【12月11日追記】さらにバリエーションがあった。この記事末尾のリンク先へ。


新色タクシーは、車両番号「252」と「273」を見たので、通し番号だとすれば少なくとも20台ほどは存在していることになるのだろうか?
あさひタクシーの小型タクシーは95台あるそうだが、見た感じの割合としては新色は1割にも満たないのだけど…
【11月10日追記】濃い色の「222」と「211?」も確認。一方、200番代、300番代でも、クルー(もちろん薄い色)の車もある。付番の法則は単純ではないようだ。


今後、秋田市内では「車のいろは空のいろ」のタクシーが増えていくのかもしれない。
※続きはこちらこの記事後半も

【2014年2月23日追記】秋田市内でたまに見かけるようになった、ユニバーサルデザインタクシーについて。
2014年2月23日付秋田魁新報 総合面のコラム「こだま」で「知ってほしいUDタクシー」として、ユニバーサルデザインタクシーが増えていることを取り上げていた。
バリアフリー化を目的に国土交通省が2001年度から導入を推進しているそうだ。触れていはいないが、日産クルーの製造終了に伴い、タクシー専用車種が減っていることも増加の一因だろう。
2012年度末現在で全国で451台、秋田県内では秋田市の4社が計10台を運行しているとのこと。記者が乗車した運転手の話では、流している時、タクシー待ちをしているのにUDタクシーには手を挙げない人が多く、認知率の向上が課題のようだ。
※あさひタクシーにも導入され、また別の色になった

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11 コメント

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車の色は~ (FMEN)
2012-10-29 23:38:32
懐かしい!
まさかあさひタクシーが…とは。
秋田のタクシーは色が綺麗で好きです。
南部だと青の国際タクシーや暖色高尾ハイヤーが主流。
観光タクシーとか昭和タクシーの明るい黄色とか湊キングのハイヤーっぽい黒なんかも。
あいタクシーは最初「森林浴カー」なんてシール貼ってたり。

浮田やグッド、カンタク、こまちなどが出てきた一方、秋田、グランド、安全あたりがなくなりましたね。
タクシー日めくりの会社が昔のと全然違いますよ。
日産タクシーがなくなったのも悲しいです。
南部の高尾、国際は日産主義でしたから。
Unknown (Fumimi)
2012-10-30 02:00:56
こんばんは^^

前回、初めてコメントを投稿するときに記事を2回くらい読んでから投稿したのに、なんだか自分のコメントが記事の内容とちょっとずれてしまってました^^;
ごめんなさい(汗

私は秋田に住んでいた時に使うタクシーがもっぱらあさひタクシーでした!
よくこのビューの所から乗ったものです。
にしてもこんな真っ青なあさひタクシーなんてありえない・・・時代は変わっていくんですね・・・。

ところで、(かなり)過去記事の「秋田市-6・菅野地下道」についてのどうでもいい話をさせてください^^
2年ほど前までは大畑側の側溝が埋められておらず、すれ違うのは大畑側がきつかったのですが、側溝が埋められたことで解放感が出て、今度は釜ノ町側ですれ違うほうがきつく感じるようになりました。
ご自身の写真をご覧いただけると側溝が埋められたばかりの色をしているのがご理解いただけると思います。
それでもやはり朝のラッシュ時は必然的に一方通行になるくらいの交通量でした。
一方通行状態でかつ冬のラッシュ時はこのトンネルを通過するのに10分くらいかかっていたものですから、そんな中まれに釜ノ町側から車が進入してくればそれはそれは大顰蹙でありました^^;

「どうでもいい話」と前置きしたものの、懐かしくて本当にぐだぐだ書いてしまいました(汗
またお邪魔しに来ます☆
コメントありがとうございます (taic02)
2012-10-30 20:55:29
>FMENさん
あちら方面といえば高尾タクシーですね。昔の秋北バスみたいな塗装で。記事上部の駅前の写真で、右上に写ってます。大住の農試跡などにもよくいます。
会社名は「高尾ハイヤー」なんですね。秋田市マイタウンバスの運行を受託しているし、昔よりよく見かけるような気がして、会社が大きくなったのかと思って調べたら、今年春に新屋タクシーと和田タクシーを吸収していたんですね~!
国際タクシーは空の色というより海の色のようなラインでしょうか。中通病院なんかが縄張りで、最近は介護タクシーをわりと見るようになりました。幼稚園の送迎ワゴンもやっていたはずで、多角経営なんでしょう。
「合同」「勝平」とか昔からそのままでがんばっている会社もありますね。昔は「ダイヤ」「三吉」というのもあって(それが「タクシーセンターあい」に変わった?)、勝平とデザインが似ていたような。

昔は三菱やマツダのタクシー仕様車がありましたが、最大手2社が残り、最後はトヨタだけ。タクシー業界はメーカーにとって得意先だと思うのですが、いろんな事情があるんでしょう。


>Fumimiさん
お気になさらずに。記事の内容とあまり関係なくても、いろいろ書いていただければ、こちらも新たなネタになったりしますので。

僕はかかりつけの小児科医院の帰りによく乗ったのが、あさひでした。ピンク電話に「さあ呼ぼう5555」という電話番号の語呂合わせシールが貼っていたものでした。今は頭に8が付いてしまいましたけれど(笑)
泉の地下道は、多少改善されているとはいえやっぱり冬は大変なんですね。先日、比較的広い天徳寺の地下道を歩いて通りましたが、歩道がなくて道が狭く濡れていて、やっぱり怖かったです。
建設当時はとかけ離れた今の交通量の多さに対応できていない構造なんですよね。拡張とか新規建設、あるいは新駅設置と絡めて何とかするとか、改善策がありそうに思うのですが…

これからも懐かしんでいただければうれしいです。
Unknown (Unknown)
2012-10-30 21:27:04
新屋・和田タクシーは相当前から高尾の傘下でしたよ。…新屋は、以前は安全の傘下でしたが。

観光はみなと交通傘下(この会社、秋田日産と関わりが会った筈。トヨタ車を導入するのだろうか?)に、新和、グリーン、ゼネラルは廃業。・・・あたしが仕事でタクシー関係の会社に出入りしていた頃とはかなり様相が変わりましたな。あのころ、秋田市内のタクシー会社全部を回っていたんだが・・・。
秋田のタクシー (taic02)
2012-10-30 23:14:57
統合前から関係はあったのですね。旧各社本社は今は営業所として存続しているそうで。

改めて社名を挙げてみると、秋田のタクシーもずいぶんと変わったものです。
日産「ティーダラティオ」にはガソリンのタクシー仕様があるそうで、秋田の個人タクシーではそれらしきものを見ました。法人はLPG駆動を好みそうですから、どうするでしょうか。
亡くなった会社 (FMEN)
2012-10-30 23:23:16
そういえば昔から和田と高尾は色が同じでした。
ダイヤとかはさすがにわかりませんがグリーン、ゼネラルもなくなってましたか。
先述したタクシー連盟日めくりカレンダー、1990年代で覚えている会社は高尾、和田、国際、キング、あさひ、港きんぐ、観光、あい、秋田、ゼネラル、グリーン、安全、中央、宝、新屋、新和、合同だったような。
そのうちあさひ、国際、キング、高尾、あいの5大会社に収斂…もありそうです。
車体塗装で (taic02)
2012-10-31 00:07:45
車体塗装である程度、関係がつかめそうです。
新興企業も多いですが、結局は昔のほうが多かったのでしょうかね。

5強ですか。あと、「中央」こと「秋田中央トランスポート」もやっぱり残るのではないでしょうか。なんてったってワタナベさんとこですから。
懐かしいですね (りお)
2012-10-31 20:15:31
「車のいろは空のいろ」、私も覚えています。
昔は旭川にもあさひタクシーの待合所?事務所?があったので、あさひタクシーは小さい頃から一番身近に感じるタクシーでした。
ですので、「白いぼうし」を初めて国語の教科書で読んだ時には、自然にあさひタクシーの車体がイメージされたものです。
個人タクシーは最近プリウスに替えている方が多いようですね。出始めの頃はシルバーの個人タクシーの見覚えがなかった為、戸惑いました。個人タクシー=黒、という固定観念があったので。やはり燃費の良さではプリウスなんでしょうねぇ。
プリウスのタクシー (taic02)
2012-10-31 22:57:17
冒頭の会話のせいか、何か印象に残る作品ですよね。
僕は「夏みかんのにおい」ってどんなだろうと不思議だった記憶があります。

たしかにプリウスのタクシーはちょっとびっくりしますね。色もそうだし車体のデザインも。
これからは電気自動車のタクシーも出てくるのかもしれません。ただ、プリウスって少し車内空間が狭くて、乗客としては居住性に難がある気がします。
タクシー向きの設備で、環境に配慮した車種があってもいいかもしれません。
宝タクシー (海沿いの街)
2017-02-06 17:15:14
今日新屋を通ってふと見たら、宝タクシーの営業所が解体してなくなってたように見えたんですが、移転?建て替え?何か分かりますか?見間違いかな?

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