田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

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2017年12月04日 | 日記
 昨日読んだ記事、『公共のトイレに長い行列ができていた。そこに泣きそうな女児を連れた母親がやってきて絶望的な顔をしたため列の先頭に居た自分が譲ったところ、「後ろの人のことも考えろ!」と怒られた。』
 
 昔々経験したことがある。列車通学だった私、長期休暇の間は定期券がない。休暇明けの学生部、学割を求める学生の長蛇の列ができる。それを避けるため、休暇の終わる頃に切符を買い求め、学割証明書を受けるためだけに学校へ行った。閑散としている学生部で学割証明書を発行してもらう。学生部の憧れのお姉さんが「定期券は○月○日からって言えば、数日先の定期券が買えるよ。今日買っちゃうともったいないからネ」と教えてくれた。もちろん知っていたが「ありがとうございます」とお礼。色白でぽっちゃりしていたお姉さん、綺麗でした。
 
 帰り道は午前中のルートをなぞるのではなく、来た方向をさらに進み、他県の大都市経由で、買い物を済ませながら帰宅した。私が使う国鉄(現JR)の最寄り駅は売上に悩んでいた。少しでも売上協力のつもり、地元で定期券を買うようにした。と、言えば聞こえが良いが、休暇明けの駅は定期券を求める学生で長い行列だったからである。地元の小さな駅は、前日に注文しておけば翌朝使えるようにしてくれるサービスだった。
 
 さて用意万端整える癖の私も、予期せぬ行列に巻き込まれることもあったが、たいていは時間に余裕を持って(持ちすぎて)行動していた。ある時、汗をかきかき困り果てた顔色で、行列の後ろと前を行き来するサラリーマンに「私と代わりましょうか?」と声をかけた。『え~っ?よろしいのですか?ありがとうございます』「はい、まだ時間がたっぷりありますので」と言った。
 
 突然、今まで並んでいた私の後ろの男性が「兄ちゃん、ありがとうな。俺は時間が無くってなぁ」と、私が代わったサラリーマンと苦笑いしながら言うのだった。実を言えばほんの時間つぶしだったのだが、妙に嬉しかった。昔の思い出ッス。おしまい。