田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

大晦日の思い出

2017年12月31日 | 日記
 昔々の思い出です。田舎の少年の私にとって、お正月はとても待ち遠しかった。童謡にある「もういくつ寝ると・・」とあるように、母が「あと五つ寝るとお正月だよ」と言うのを毎日聞いた。いよいよ年の瀬が迫ると家中がそわそわして落ち着きが無かった。
 
 大晦日の夜を「年越し」と言いご馳走を食べた。大戦後十数年、田舎は戦後の傷跡は少なかったが、それでも復興には程遠かったと、今になって思う。貧しい農家の年越しのご馳走を友人から聞いた。友人は「年越しはサンマを食べた。妹と一匹だった」と嬉しそうに語った。いつもは半分も食べられないと子供心に思った。
 
 大晦日の夕刻鶏肉が届けられた。大晦日に届く時は捌いてあったが、ある年など、生きたニワトリが届けられたこともあった。鶏肉の中に卵の黄身が小さいのから大きいの順に並んでいた。すき焼きで食べるのだが、欲張って黄身を全部小皿に取るのだが、ニワトリの胎内の黄身は不味い。毎年のことなのに学ばぬ私だった。
 
 父が「年越し」を「歳とり」とも言った。明治生まれは数え歳が主流なのか、新年を迎え皆が歳をとるのだ。満年齢しかわからない子供の私にとって「六兎は数えで幾つだ」と言われるのにいつも悩んだものだった。
 
 テレビが無い頃の紅白歌合戦はラジオで聞くのだったが、お風呂も夕食もいつもより早めに始まり、大人たちが「今日は朝まで起きていて良い」の言葉を聞くものの、いつもより早く布団の中だった。お正月の楽しみはお年玉だけだった。そんなお正月もアッという間に終わるものだった。
 
 来年が幸多き年でありますように、心から祈ります。