田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

また続きです。 なにはともあれ無事で良かった3

2013年09月30日 | 日記
 万引きを知った以上はこのまま帰すことはできません。大した金額ではないから、昼間ならば同行して謝らせれば、恐らく店主は許してくれるでしょう。三人の顔色を見ている限り、万引きは始めてのように見えたのですが、二度とこのようなことをしないように言い聞かせねばなりません。ずぶ濡れになった幼い弟に暖を取らせようと、ロウソクに火をともしたかったのでしょう。浅はかな知恵だけど小学生ならこの程度でしょう。焚き火などをしないでくれて良かったとさえ思ったのでした。
 幼い子が「僕ら子供だから絶対にライターは売ってくれない・・・・。」といいわけじみたことを言いました。年長の子が「違う、帰りの切符も買ってしまったからお金が足りなかった・・。」と正直に言ってくれました。私が「往復切符を買ったのかぁ、じゃぁ家出じゃないね。家に帰るつもりつもりだったのだね?。」と聞くと三人とも下を向いて黙ってしまった。年中の子が「帰りの切符があればいつでも帰れると思った・・・・。」と、なかなか考えたものでした。
 子供たちに「君達の切符は日にちが替わったらもう使えないよ。」と教えました。三人が「もう僕らは帰れない・・・。」と可愛そうなくらい落ち込んでしまいました。幼い子が「先生が冒険しなさいって言うから僕は冒険したのだけど、こんなことなら冒険しなきゃ良かった・・。」と今度は言い訳では無くG市に来た理由を言い始めました。「はい、良くわかりました。おじさんは君達を家まで送ってあげたいけど、君達は少し悪いことをしてしまいました。でも君達はおじさんとおばさんに謝りました。おじさんとおばさんは明日お店にお金を払いに行きます。君達はお金をもっていないので、おじさんとおばさんのお金で払います。二度と盗っちゃいけないよ。そしてこのことは誰にも話してはいけません。」と約束させました。三人は私達に謝りました。二度と万引きはしないと思いました。
 「さあこれから交番へ行こう。」と言うと三人の顔色が変りました。幼い子が「僕達つかまるの?。牢屋へ入れられるの?。」と泣きそうな顔になりました。私が「何か悪いことしたのですか?。」と言うと「ライターとロウソクを盗った。」と正直に言うのです。すかさず「あれ?誰にも言わないって約束したのに、君はもうお喋りしたね。」と言いました。三人は少しだけ安心したようでした。
 団地の中にある交番まで歩きました。私は子供たちが逃げるのでは無いかと心配しました。妻も同じ考えだったようです。注意深く年長さんと年中さんの間に入り、妻は幼い子の手をつないで歩きました。幼い子が「交番にはストーブあるかな?。」「交番で寝させてくれないかな?。」「パトカーってあるの?。」妻や私にいろいろ聞くのです。弟の質問に答えない兄達を見て、三人が実の兄弟なのか解らなくなりました。よく見れば顔は似ていないし、髪型も違います。聞いてはいけない不思議な雰囲気を持った三人の少年でした。交番の赤いランプが見えてきました。深夜1時を過ぎました。またまた長くなりましたので明日に続きます。


昨日の続きです なにはともあれ無事で良かった2

2013年09月29日 | 日記
 幼い子は安心したのかとても饒舌になりました。夜更けだというのにとても大きな声で話し続けます。私は「そんなに大声で話したら寝てる人が起きてしまうから、ヒソヒソ、小さな声で話そうな。」と言い、三人の部屋番号を聞き出そうとしました。私も妻も、この子達は三人兄弟で、叱られてでもして家を飛び出し、親を困らせようと公園で野宿をきめこんだと思い込んでいました。しかし、この時間になっても子供たちを捜そうとしない親さんは夜の仕事なのか、それとも複雑な家庭環境の子達か考えをめぐらしました。
 小刻みに震える幼い子のために、妻が息子の古着を倉庫から持ってきました。息子には小さくなってしまった古着でしたが、子供会のバザー用に処分しないで倉庫に保管してありました。濡れた衣類を全部脱がしました。砂がつかないように二人の子達に持たせました。全部脱がした幼い子を妻がタオルでゴシゴシこすりました。「少しは暖かくなるでしょ、乾いたら服を着せてあげるからね。」というと、幼い子はとても恥ずかしそうに、前を小さな手で隠していました。妻が「風邪をひくといけないから、セーターの上でもいいからこのジャンパーも着なさいね。」とキャラクターがついたジャンパーを手渡しました。幼い子の顔に明かりが灯ったように、彼は「おばさん、これいつ返せばいいの?。」と、強く握り締めたジャンパーを妻の前に突き出しました。妻が「ううん、家の子大きくなっからもう着られないの、だから返さなくてもいいよ、お母さんにそう言いなさい。」というと、彼はうれしそうに「ありがとう。」と言いました。
 いよいよ私が彼たちの室番号を聞きださねばなりません。三人の子達を怯えさせないように注意しながら「家の人に叱られたのだろ?。」と聞くと三人とも首を横に振ります。「君らの家は7号館かい?。それとも13号館かい?。」あてずっぽに聞いても首を横に振るばかりです。「じゃぁ、おじさんとおばさんが家の人に、『叱らないで下さい。』ってお願いしてあげるから、おじさんと家までいっしょに行こう。」というと、幼い子が「おじさん、もう電車無いよ。」と言うではありませんか。団地の子ばかりだと思っていたのが間違いでした。
 「そうか、おじさんはてっきり君たちの家がここにあると思っていた。ごめんね、君たちの家はどこにあるの?。」と聞いたら、幼い子は一生懸命言おうとするのですが、口をモゴモゴさせるばかりでなかなか言えません。年長の子が「S市です。」と言いました。「ありゃぁ~、君たち家出か?。」と少しおちょけた調子で言いました。「お家の人が心配してるぞ、もう家に帰りなよ。送ってあげるからさ。」と言うと、幼い子の目から涙が溢れてきました。年長さんも年中さんもしゃくりあげて泣くのを我慢していました。きっと随分心細かったのだろうね。幼い子が妻の手握って「おばさん、僕ら悪いことしたの・・・お店でロウソクとライターを盗った。」と言いながらまた泣き出しました。年長さん年中さんはうな垂れてしまいました。妻が困った目で私を見つめます。またまた長くなりましたので明日に続きます。


千葉県の高校生 なにはともあれ無事で良かった

2013年09月28日 | 日記
 ずいぶん痩せちゃったようだが、7月11日から行方不明になっていた県立高校3年の女子生徒(17)が保護された。よかったねぇ、家出だったのかな。自宅から400メートルのところで発見されたらしい。近くへ戻ってきたのか、それとも初めから近くで身を潜めていたかは解らぬが怖くなかったのだろうか。いろいろ知りたいのだ。申し訳ないが、ただ興味本位で知りたいだけだ。彼女を守るために恐らく詳しいことは語られないだろう。17歳の子供だから許してあげようね。
 今から二十年近く前のことだが家出少年を保護したことがある。ゴールデンウィーク過ぎの肌寒い夜だった。深夜12時近くそろそろ寝ようとしていた。当時住んでいた公営アパートは五階建ての二階の西端に部屋があった。部屋の西に金魚公園と呼ばれる児童公園があった。公園の中央に砂場があり、砂場を水面に見立てた巨大な金魚がコンクリートで作られていた。金魚の頂上へは、川原にある角が丸まった扁平な石が埋め込まれていた。石を足場に頂上を目指す遊びが男の子の遊びだった。金魚のお腹には直径1メートルほどのヒューム管が埋められトンネルになっていた。トンネルは屈曲していて向こう側が見えず、幼い子は勇気を振り絞って母親の声が聞こえる側へ這って行くのも勇気が必要だった。今から考えれば随分荒っぽい遊具だった。今の時代なら絶対に許されない遊具であろうが、誰も怪我はしなかった。
 私が寝る前に西の窓から公園を眺めたら、金魚公園のトンネルから炎の明かりが見えた。水銀灯で照らされた明るい公園だったが、砂場が赤い光で照らされているのがとても奇妙だった。思わず妻に「公園に誰かが寝泊りしてるぞ。」
 実は一二週間ほど前、南に位置する一戸建て住宅で強盗事件があったばかりだった。身の危険も感じつつ、および腰で恐る恐る金魚公園へ行った。もちろん妻も同行である。トンネルを覗くと揺らめく明かりが見える。人の気配も感ずるし、中にいるであろう人の荒い息使いが聞こえる。息使いから怖がっている様子がうかがえた。「誰だ?。顔を見せよ!。」砂のついた靴がトンネルの底をこする音がするばかりであった。妻はトンネルの反対側から、中にいるのが子供であることを見つけた。
 「子供だから六ちゃんが声をかけると怯えるよ。私が声をかける。」と言った。「ねぇ、出ておいで、こんなとこにいちゃいけないよ。」と言うと「朝までここにいます。いさせてください。」と少年の声がした。「オシッコがしたいよぉ~。」と幼い別の子の声も聞こえた。一人ではなかった。とにかく妻の声には答えたし、少年二人だったら朝まで仕事部屋で預かって良いと思った。私も妻も、この子供たちは団地の子だと思った。
 「君達、この前だけど、ここから近いところで強盗が家に入ってね、娘さんを縛ってお金を盗った。その悪者がまだ捕まっていないのだよ。悪者が近くにいるかもしれないから出ておいで、おじさんとおばさんで守ってあげるからさ。」というと、素直に出てきました。少年は三人でした。学年は忘れてしまいました。一番大きな子が来年中学生、小さな子が小学二三年生だったと思います。その小さな子が出てくるなり「おじさん、おばさん寒いよ、寒い・・」ってぶるぶる震えていました。妻が思わず抱きしめたら「ねぇ、ボク服が濡れてるじゃない、どうしたの。」「うん、川にはまったのぉ・・・ボクが寒いって言ったら○○クンと△△クンが、暖まれってロウソクに火をつけてくれたのぉ。」と言ったのでした。長くなりましたので明日に続きます。


前倒しって!!

2013年09月27日 | 日記
 現在進行中の仕事は11月末完了の予定で着々と進行している。スタッフは一名加わったが、彼はとても忙しい人だ。そして優秀な人だ。
 さて仕事は、私が静かに深く潜行し、8割がた終了している。当初の予定では今月末に業務の半分を次の事業所に引継ぎ、残りを順次引き継いでいく予定だったが、先行しているチームに遅れが出始め段取りが難しくなった。ならば私の持分の残り2割を急きょ完成させられないかと打診があった。そうすれば他のチームも一息つけるし、オイラの残りの期間は手直しに回せるし、今からがんばろうと思う。できるかなぁ。あ~できるとも!。
 妻の花壇の写真を一枚貼ります。花の名前は知らないのです。


早く手を打とう

2013年09月26日 | 仕事
以前にも書いたが、福島の染水タンクは早く手を打たねば危険だ。こんなこと誰にも分かっているけど、つい目をそむけたくなる。恐ろしいからなぁ・・。昨日も新潟県県知事と東電の社長が会見していたが、第二ベント機能より汚染水処理だと思う。小出先生の大型タンカー案が一番現実的だと思う。どうして考えないのか不思議だ。
 京大原子炉実験所の小出裕章助教は「国が計画する凍土壁で地下水をせき止めれば、地盤が浮き上がるリスクが高まる。」と指摘する。地盤の浮き沈みに基礎が耐え切れなければ地獄だ。大量の高濃度汚染水をためたタンクが、文字通り、ドミノ倒しのようにバタバタと崩れ落ちていく。東電のズサン管理によって、最悪の光景が現実になるリスクは高まっている。