田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

Tell Me, Sisterのお話し

2013年04月27日 | 日記
 中島みゆきさんのアルバム「短編集」に収録されています。
ある女の子が、とても美しい女性に憧れ、真似して立派になったのですが、憧れた人はこの世にはいなかった・・・という悲しい歌。美人薄命ですね。
 私は思うのです。『男性も女性も憧れられるのは、心意気です。』かく言う私は、師事した師匠、天才と言われたアーティストに憧れました。近づこうと努力しました。近づけませんでした。その人達は鬼籍に入りました。もう教えは請えませんが、若い人達から「昔の話をしてくれ。」と言われるようになりました。


婆様 入院一ヶ月経過

2013年04月19日 | 日記
 母の入院から一ヶ月が過ぎた。妻は仕事を終えての帰り道、毎日病院へ立ち寄ってくれる。その妻も、販売促進週間は忙しい。ピンチヒッターで、私が見舞いに行く。母の世話は全て病院におまかせである。男の私が行っても、役にはたたぬ。しかし話すことで、認知症を遅らせようと努力するのである。今のところ、その効果があるような気がする。婆様いわく『腰も、背中も痛い、だけど自分の失敗だから我慢せにゃならん。頑張って、死ぬまでには、治したい。』「死ぬまでには・・・?」ん?ユーモアか?まさか・・・・。
 さて、今後のことを考えねばならぬ。私は平成10年から続けた講師職を辞することにした。日曜日だけとはいえ、終日完全に拘束される。代理がいないことが辛かった。体調管理もおろそかにできなかった。それでも始めの頃は、全てが講師に委ねられ、責任感だけで義務を果たしてきたが、採算ベースに乗り始めると、会社は利益を強く求めるようになった。当然日当の安い講師を求めることになり、質の低下は避けられなかった。生徒の指導で手一杯、講師の指導までは無理だ。もう充分貢献した。辞することは、一月に催された合格祝賀会で考え始めた。母の入院で決定しただけである。
 さて、収入は減るが、妻は安心してくれた。オイラの母だから、オイラがやらねばならぬ。オイラが努力しようが、母の脊椎は元通りにはならぬだろう。今も多くの時間は寝たきりだが、座位で食事をしなければならない。痛みで長く座位を保てぬらしく、食事は柔らかく調理してあるそうだ。固い食べ物が好きだった母は、不満げだったが、近頃は不満を言わなくなった。「食事は残さず食べられた。柔らかくしてもらってるからな。」きっとヘルパーさんに言いくるめられて納得したのだろう。ヘルパーさんに感謝だ。
 さて病院費用だが、差額ベッド代金とおむつ代金、交換費汚物処理費は必要だ。医療費は1割負担であるが、身体障害者である母はそれも負担していただける。しかし、毎月12~13万は必要なのである。母の年金と父の遺族年金を合わせても必要額の4割程度なのである。嫁いだ実姉から「苦しかったら、少しは援助するから遠慮するなよ。旦那も心配してるからな、無理するなよ。」って言ってもらった。ありがたい言葉だ。
 さて本日、ケースワーカーと、この先の退院後を相談した。病院は介護老人保健施設も併設しているので、少し早めだけど、施設のベッドの予約をした。その施設は介護保険でまかなうのだが、諸々諸経費の1割負担となる。それが一日約4千円だから、やっぱり12万は必要だな・・・。妻と二人でなんとかするつもりだ。姉も優しい言葉をかけてくれるし、子供達も「少しなら手伝えるから。」なんて心強いことを言ってくれる。嬉しいのだが、心配をかけるから婆様には言えない。今、言うのは「痛いだろうが、我慢だ!。それもリハビリだッ!!。」


新年度

2013年04月02日 | 日記
 昨日から25年度であるが、我が家は24年度を引きずることになる。17日午後、我が家の94歳の婆様が室で尻モチをついてしまった。ベッドで休ませたが痛みがひどく、救急のお世話になった。診断は脊椎骨の圧迫骨折、手術はできず、しばらく安静が必要であるが、入院ベッドの空きがなく、途方に暮れた。日頃お世話になっているケアセンターに相談した。自宅のマンションは1階ではあるが、高床式で5段の階段があり、あの痛がり用ではおぶることもできない。ストレッチャーで自室に入れたとしても、便所での介助もできない。
 お願いして、ショートステイで対応してもらうことにした。さて救急病院からケアセンターまで、距離はおおよそ1kmだが、自家用車には乗せられない。ケアセンターのストレッチャー用車両は出払い、使えないらしい。まさか、救急車は願えない。仕方なく福祉タクシーを利用したが、¥8,100円だった。1mあたり8円と考えれば安いが、高いよな~。1mって何歩かなぁ。
 ところで、婆さまの介護保険では、ショートステイにも限度がある。入院できる病院を探した。ケアセンターの系列病院に入院ができることになった。移送時のストレッチャーの振動でさえ、痛みで叫ぶ。再度の診察で、圧迫骨折は認められず、老人性の脊椎骨の痛みが、しりもちを原因にして、一挙に現われたと診断された。日薬だろうが、車いすに座れるまでが最終目的だろう。おそらくマンションには帰れないだろうが、94歳まで自分の足で歩けたのだ。満足しようと妻と話し合った。痛みを押えることと、認知症をできるだけ遅らせることだろうな。
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 新年度 平成25年度のメモ
1 幕を曳く覚悟 婆様が入院した 3月14日(木曜日)
  1・かねてからの文書を推敲
2 本にしよう化計画
  1・ページメーカーorインデザイン  プリンタA3横印刷の相性疑問
  2・裏表印刷 単枚で 2.3 4.1 写真撮影でUP
  3・製本アイディア  グルーガン&カップウォーマ
    ウォーマーの発熱部分が縁より低い 改造 写真撮影でUP
3 記事
  1・KWAさん
  2・tell me sister
  3・喫茶キャロット
  4・山奥物語
  5・(コーナー)角なくなった話
  6・ある女性準教授のその後
  7・質素な暮らしと言われるけど
  8・禁煙のテクニック
  9・社会と宗教
  10・押し出された高齢者 その弊害
  11・医療の理想とは
  12・カルトの中の人達
  13・自動車教習所であったオバサン
  14・自動車教習所であったお姉さん
  15・Fの教師
  16・会計職の教師
  17・アスペルガーって何だ?
  18・トライアンフに乗る教師
  19・同級生の教師
  20・理性と本能
  21・裏切り
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エイプリルフール

2013年04月01日 | 日記
 昭和50年中ごろ、日本が活気に満ち、企業が家庭的な雰囲気を持っていた頃の話です。4月1日は入社式でした。私が勤めていた会社も、毎年数人の新人が入社しました。悪戯大好きの私が、エイプリルフールを仕掛けました。
 3月中ごろから、準備しました。長髪をリクルートカットにし、私が新人の頃に着ていたスーツを出しました。総務の女子達にエイプリルフールのあらすじを話し、演技指導をしました。
 さて、当日は始業2時間前に出社し、社の廻りの清掃をしました。残念ながら新入社員は来ませんでした。食堂で、手を膝の上に置き、こじんまり座りました。遠くで女子社員達が「六兎さん、新入生みたい(笑)。」作戦は順調です。
 始業1時間前、一人の新入生が来ました。私はじっとテーブルを見ていました。新入生が目ざとく私を見つけ、私の隣に座りました。幼少の時と同じく、男の戦いはここから始まるのです。相手の値踏みをするのですね。私のスーツは安物、髪はリクルート。隣から優越感が漂ってきます。私は一言も発していません。嘘は言ってないのです。二人目の新入生が来ました。二人は入社試験で顔なじみだったようでした。試験の話が聞こえてきました。『俺、俺が点付けしたのだぜ!。』と思いながら、私は採点の結果を思い出そうとしましたが、いかんせん二人の名前をまだ知りません。二人目が私に「入社試験で会いませんでしたね?。」と切り出した。私は少し伏せ目がちに「はい、試験は受けておりません・・・。」と答えた。嘘ではない。「縁故?」と言われた。答え辛そうな演技をしました。嘘は言ってません。しかし、『俺達は戦った勝利者』と熱気が伝わってきました。男達の戦いって、無邪気ですね。
 女子社員がコーヒーを持ってきました。私の前に置きました。「どうぞ、召し上がれ。」演技指導通りでした。私は両手を合わせ合掌し、大きな声で「いただきますッ!。」と言いました。女子社員は、同じように、隣にコーヒーを置き、同じように言いました。二人の新入生は私と同じ所作で挨拶をしたのですが、声は小さく、目は泳ぎ、少し怯えていました。制服の熟女で、お化粧完璧のお姉様から「どうぞ、召し上がれ。」なんて言われたことは、いまだかって無かったのでしょうね。ましてお返しの挨拶などしたことがなかったのでしょう、当たり前ですね、刑務所やクラブじゃあるまいし。
 三人目、四人目の新入生は、その光景を見ていなかったのですが、先に来た子が『手を合わせていただきますって言うみたいだぞ・・』と伝授したようでした。飲み終えた私が、コーヒーカップを洗い場に返すとき、「ご馳走様でした。」と大声で礼を言うのが、その年のエイプリルフールの寸劇でした。大声で礼を言ったとき、クリント・イーストウッドそっくりのヤマちゃんが長期出張から帰り、出社したのでした。ヤマちゃんが「六兎君、新入生に見間違えたけど、どうしちゃったの?。髪切ったの?。」新入生全員から、神経がピ~ン、アッケラカ~ン、ハァ~って音が聞こえたようでした。涙ぐんで笑いをこらえる熟女の姉様。
 さて10時から会議室で入社式がおこなわれました。私は最前列で彼等を大きな拍手で迎えました。彼等は決して私を見ませんでした。三人の重役が挨拶をしました。最後の重役が「六兎君、君から一言、今朝は面白かったみたいですね。見たかったよ。」と言いました。
 「皆さん、○○・・・へ入社おめでとうございます。君達に聞きます。今日この日は君達にとってどのような日か、順に聞かせてください。」と質問した。彼等は綺麗な言葉をならべて謝辞を言いました。私は彼等に「皆さん、今日はエイプリルフールですよ。」会議室が大爆笑であった。
 新入生に伝えたかったことは、(1)詐欺は自分の思い込みから始まる。(2)正しいと思ったことをやれ。因習に囚われるな。(3)友人から聞くのであっても、噂や迷信を信ずるな、でした。おしまい。