「かつカレー」「かつ丼」「かつサンド」など、とんかつをアレンジした料理の数々。
気軽なお弁当として、おせち料理に飽きたらと、今も人気のこれらの料理。
いったい、いつから食べられているのでしょうか?
記事(2016年12月27日 tenki.jp)によると
『明治の終わりから大正時代にかけて流行した、庶民向けの洋食店。なかでも「カツレツ」「コロッケ」「ライスカレー」は「3大洋食」と呼ばれ、人びとの人気を集めました。
1918(大正7)年、屋台洋食の店「河金」が、このうち「カツレツ」と「ライスカレー」を盛り合わせた、その名も「かつカレー」を考案。たちまち大人気となったのです。
次いで、1921(大正10)年に登場したのが「かつ丼」。具材とともにだし汁で煮て、タマゴでとじるスタイルが一般的です。
なぜタマゴでとじるようになったのかは、諸説あるようですが、すでに1877(明治10)年に「親子丼」が発明されていたのと、関係しているのでしょうか。
ちなみに、お蕎麦屋さんのメニューに「かつ丼」が加わったのには、関東大震災が関係しているという説があります。震災による不況でお客が減り、さらに大衆的な洋食や中華、喫茶店などの新業態が登場したことで、悩んだお蕎麦屋さんが「カレー」や「かつ丼」などをメニューに導入。昔なじみのお蕎麦屋さんで洋食が食べられる……そんな気軽さから、全国に広まったというのです。
かつ丼といえば「ソースかつ丼」、という地域もありますよね。英国にルーツを持つウスターソースが、なぜ使われるようになったのでしょうか?
そもそも、ウスターソースが注目されたのは、1898(明治31)年に開催された「全国醤油大会」がきっかけだったといいます。醤油に似ているということで、当初は「新味醤油」「洋醤」などと呼ばれていたのだそうです。
その後、各地でソース製造を手がけるメーカーが相次いで現れ、日本風に改良された多種多様な「ソース」が登場。さまざまな料理に「ソースをかけて」食べる文化が形成されていったのです。
これらの料理に比べて、比較的新しいのが「かつサンド」の歴史。1935(昭和10)年、東京・湯島にあるとんかつ専門店「井泉」が、とんかつをパンにはさんだ小ぶりのサンドイッチを作ったのが始まりとされています。近隣の芸者衆が、口元を汚さずに食べられるものを、というのが発明のきっかけだったのだとか。
そういえば、かつサンドに使われる真っ白な「食パン」、これも日本化した洋食といえるかもしれません。日本独特の「パン文化」についても、日をあらためてご紹介したいと思います!』