「秋土用」。20日から立冬(11月7日)までをいい、二十四節気、七十二候とともに季節をあらわす雑節のひとつです。
記事(2016年10月20日 tenki.jp)によると
『実は、土用は年に4回あるんです。それは、立春、立夏、立秋、立冬と季節が変わる日の前18日間または19日間のことを言います。なぜこのようになっているか、と言いますと四季を五行説で分けたとき、春は木、夏は火、秋は金、冬は水としました。割り当てられなかった「土」をそれぞれの季節の終わりに振り分けたからです。それが「土用」になったということです。現在は春は27°、夏は117°、秋は207°、冬は297°というように太陽黄径で土用の入りの日を決めています。
陰陽道で「土」は「土公神(どくしん)」と言って、土をつかさどる神をあらわします。春は竈(かまど)、夏は門、秋は井戸、冬は庭にいて、その季節にその場所を動かすとたたりがあるされています。雑節で決められた土用でも、やはり「土公神」の支配をうけるので、土を動かすことを嫌うということです。土木工事、つまり家の普請でいうと基礎工事、柱立て、井戸掘りなど土を掘り起こしたり動かしたりはしない、と言われていました。まだそのような習慣が残っているところもあるそうです。しかし、18日間も土木工事や作業ができないのはさすがに困りものです。そこで「土公神」が土を離れる「間日(まび)」が決められており、この時は土木工事をしても大丈夫、というようになっています。ちなみに秋土用の「間日」は未、酉、亥で、今年は10月20日、28日、30日と11月1日です。
生きているものは死して土に帰り、また新しい命を育てるのも大地の土。そのようなことから古い季節が終わり、新しい季節を育むという意味も「土用」にはあるように思われます。
最近は気候変動により以前のように暦で季節を切り替えることができにくくなりました。「暦の上では秋ですが」、「10月なのに真夏日が!?」、「季節はずれの」などの言葉が聞かれ、今までの経験だけでは予想のできないことが起きています。まだまだ半袖も必要だし、長袖やジャケットも必要、と複雑です。「秋土用」の時期は、七十二候では「霜始降(霜が初めて降りるころ)」、「楓蔦黄(もみじやつたが黄色くなるころ)」と言われるように寒さがどんどん深まっていく頃にあたります。秋土用、昔は忌み事があったようですが、季節と季節の間にあって次の季節へうつる調整期間のようなもの。今の10月の終わりから11月にかけては、晴れれば澄んだ空気が爽やかで気持ちの良い時です。秋から冬へ。
今年の夏に活躍したお気に入りのシャツやパンツ、来年も着られるかどうか?じっくりとチェックしておきましょう。来年もまた着ましょう、と思うものは丁寧に洗濯しておけば、新しい季節がめぐってきたときにすぐに着られますね。それから、急に寒くなっても慌てないように冬物の点検も忘れずに。ボタンがゆるんでいたら、取れる前にしっかり縫い付けておきましょう。また、ブーツも出して、一度足を入れておくと足の馴染みもよくなります。』