10月の誕生石、「オパール」。
オパールという名前は「目」を意味するギリシャ語に由来するとされ、視力を改善する石とも、まわりの人の「目を曇らす」石とも言われてきました。
そこで、オパールに関するこんな記事をご紹介します。
記事(2016年10月1日 tenki.jp)によると
『古い物語や言い伝えをひも解くと、オパールには「目」にまつわるお話が多いことに驚かされます。
北欧神話の詩歌集「エッダ」に出てくる神聖な石「ヤルカシュタイン」は、ヴォルンドという鍛冶屋が、なんと子どもたちの目から作ったもの。乳白色に輝いていたといわれるこの石は、オパールのことだと考えられています。
中世ヨーロッパでは、オパールは「目の石」を意味する「オフタルミオス(ophthalmios)」と呼ばれていました。細かい作業をする時に、オパールを月桂樹の葉っぱで包んでお守りにする習慣があったのだとか。
オパールを「移り気」の象徴として描いたのは、かのシェイクスピアの「十二夜」。
また、オパールを持つ者は「姿を消すことができる」とされ、泥棒や盗賊が守護石としてオパールを持ち歩いていたといわれます。「邪眼」などの民間信仰と結びつき、わざわいをもたらす石とも、逆に「邪眼」を避ける力を持つと考えられたこともあったようです。
その反面、オパールには「王の名誉を守護する」力があるとも言われ、神聖ローマ帝国の王冠には見事なオパールがはめ込まれていました。相反するイメージを持つオパールですが、それだけ昔の人びとは「強力な力を持つ石」だと考え、大切にしていたということなのでしょう。
動物や植物の化石が、オパールのように自然に変化する「オパール化」も、よく知られていますよね。これは、珪酸分を含んだ地下水が化石にしみこんで、有機物が珪酸部に少しずつ置き換わることで起きる現象です。木の化石がオパール化した「ウッドオパール」などが有名ですね。
さぞ長い年月をかけて起きるのだろうと思いがちな「オパール化」ですが、条件によっては非常に急速に起きることがわかっています。「数か月のあいだにウッドオパールができた」という実験結果もあるそうですよ。
オパール化した化石で有名なのが、1987年にオーストラリアで発見された、プリオサウルスという恐竜の化石。体長約2メートルの恐竜の化石が、ほぼ全身そろった姿で見つかったのです。この化石は「エリック」と命名され、シドニーの博物館で管理されています。』