「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

AO試験・学園内受験合格者向けに準備段階教育

2015-02-21 23:57:47 | 日常の一コマ
この春の入学予定者のうち、学科試験を受けずに面接試験だけで合格となった、
AO(アドミッションオフィス)試験・学園内系列高校からの推薦入学者向けに、
3日間(実質としては10時間半というところ)の準備段階教育が行われている。

1月下旬に行われた第2回と今日の第3回、
社会環境学部への入学予定者のうち社会安全コース(つまり防災コース)を選ぼうかな、
と思っている者16名を対象とするミニセミナーを担当した。

第2回は2人、今日は4名の学生、ゼミ生に加え、正規のゼミ生ではないが
ゼミやイベントに顔を出してくれている学生が手伝ってくれた。

不幸な時代であっても生き抜く力を身に付けさせたい、と思っている。

社会的格差の拡大、社会インフラの老朽化、高齢化・少子化による社会コストの増大、
地方の疲弊・消滅、そしてそれらが行き着いたころに予定されている巨大災害。

「不幸な時代とは言わないで欲しい」との思いは理解しているものの、
これだけの材料を並べられれば、そう言わざるを得ないところ。

その中で、偏差値的には底辺にある本学ではあるが、縁あって出会った学生に、
たくましく生き抜いていく力をどうやれば身につけさせることが出来るか。

1年生1人、2年生1人、4年生4人という4人の先輩方が、
自分の経験を語り、後輩たちへのメッセージを託す。
16人全体に向けた話を終えた後には、入学予定者4名と先輩1名がグループを作り、
質問や意見交換の機会を作った。

大学の中に居場所を作ることが出来れば、小規模大学の特長を活かせる。
幸いにも「旅の坊主」の研究室に入り浸っている学生は、
ゼミの基本的な考えを十分理解し、その方向で活動を繰り広げてくれている。
16名という比較的少人数とはいえ、人前で話をさせることも冷や汗をかかせる経験。

基本は「慣れ」。
ある程度の数をこなし慣れてくれば、就活の面接でもそこそこ勝負が出来るようになる。

16名全員が、この種の活動を行うことの意味を理解してくれたとは思っていない。
すでに反発も出ている。
「この先生の講義は絶対にとらない」との感想が、支援してくれた学生にも寄せられた。
ただまぁ、それも歩留まりというものだろう、と思っている。

「この日相手をしてくれた先輩方は、そのような鍛えられ方をしたからこそ、
今、この場で、君たちを前に、それなりのことを話せるようになっているのだよ。」
このことを、その入学予定者クンも、いつかは理解してくれるだろうか……。

消防志望とのことだが、口先だけの「なんちゃって公務員志望」なんぞ、
この大学には転がっている。反発するのは勝手。でも、では君は、
「同じようにやってみよ」と言われて、しっかり出来るのかな?
彼らは鍛えられたからそれが出来るのだよ。
反発するのは勝手だが、冷や汗をかく経験もなしにそのことが出来るようならば、
多分、キミはここにいないはずだ……。

「先輩に学び、後輩を鍛え、出前講座で冷や汗をかき、良き就職先を勝ち取る」
これが今日の課題レポートのタイトル。
約2時間のセミナーの中で、このテーマを出す意味が伝わったならば嬉しいのだが……。

手伝ってくれた4名と共に、久しぶりに「魚河岸丸天」。
考えてみれば、2ヶ月ほど顔を出していなかった。
忘れられてはいなかったが、ちょっと申し訳ないところ。
若い世代が美味しそうに食事をしているのを見るのは楽しい。
若干1名、名物「海鮮かき揚げ丼」に挑戦したものの、見事に撃沈されたのもいたが(笑)

とまぁ、地元の大学人らしい土曜日でありました。