<八甲田・十和田ゴールドライン>
「原生林」や「縄文の森」などの言葉を聞きますと、
鬱蒼とした濃い緑の木々が四方八方から迫り、
得体の知れぬ動物たちの気配や鳴き声が充満し、
異世界が常に隣り合わせに共存する……といった具合に、
ある種の暗さを伴うイメージが付きまといます。
ただし、ここ青森周辺の森は、
想像以上に明るい空間が一面に広がり、
サワサワと絶え間なく通り過ぎる風も、
湿った感じはなくとても爽やかで、
「いつまでもここにいたい」と思わせる
不思議な磁力にあふれておりました。
まあ、他の季節に訪れたことがないので、
何ともいえない部分はあるのですが、
恐らく縄文時代というのは、
決してアースカラー一色の単調な世界ではなく、
現代人である私たちがイメージするよりも、
「色鮮やか」で「非凡」な世界だったのでしょう。
ブナ林の新緑や是川遺跡の「朱」の世界……等々、
豊かな森と様々な色彩に囲まれた
「桃源郷」だったような気がするのです。