<国立民族学博物館>
ヘビ・ハブ・ウミヘビ・ウツボ
・ウナギ・ハモ・アナゴなど
「蛇型の生物」はもちろん、
ワニ・サメ、はたまた雷・虹・龍に至るまで、
すべて「同一の神」を示すという
話があることをご存知でしょうか……?
これらの生き物や自然現象は、
「長物」というキーワードでくくられ、
「海人族」などともつながる
霊的なシンボルだとされております。
恐らく、「海人族」の中でも特に
「蛇」への強い信仰を持つ人々が、
俗にいう「龍蛇族」と呼ばれるようになり、
これら「龍蛇」への信仰を持つ人々が数多く
集まっていたことから、出雲一帯には
濃厚な「龍蛇神信仰」が残ったのでしょう。
一説に「龍蛇族」とは、揚子江(長江)
の近辺にいた呉越の人々を指し、
彼らの手によって「龍蛇」だけでなく、
稲作文化までもが日本に持ち込まれたと聞きます。
となると、彼らが来日した時期は、
稲作文化が到来した弥生時代初期
ということになりますが、
調べてみますとどうも「龍蛇族」の人々は、
それよりはるか以前に日本へと
到達していた可能性が伺えるのですね。