***** 子年の展望 No.70 *****
毎年6月30日になると、各地の神社で
「夏越の祓(なごしのはらえ)」
という行事が執り行われます。
その際に登場するのが、「茅の輪」と呼ばれる
茅(ちがや・草)で編んだ巨大な輪でして、
これを手順通りに潜ることで、
知らず知らずのうちに身についた
災厄を振り払うことができるのだそうです。
一説にこれらの風習は、「蘇民将来」
の民話から生まれたとも言われており、
スサノオ(牛頭天皇)の申し出を受け、
快く宿を提供した蘇民将来に対し、
スサノオが「腰に茅で造った輪をつければ、
流行り病を避けられる」という
言葉を残して去って行ったことから、
これらの行事が盛んに行われる
ようになったと聞きます。
「茅の輪くぐり」のやり方は、
神社によって多少異なるものの、
基本的には丸い輪の中を8の字を描くようにして、
左→右→左と「3回」くぐるのが特徴で、
件の大神神社では榊・杉・松をかかげた3連の輪を、
杉の輪、松の輪、杉の輪、榊の輪の順に巡るとのこと。
恐らく、この大神神社独自の茅の輪くぐりの形式は、
近年にできたものだと思われますが、
一説にこの3連の輪は、三輪山との結界を示す
「三ツ鳥居」を模したという話もあるのでした。