***** 大嘗祭 No.19 *****
一説に、「サカツコ」を補佐していたのは、
物部氏だったとも言われております。
現在も天皇を陰で支えると噂される物部氏は、
実は三輪山との深い縁を有する氏族で、
物部氏が得意としていた「弓」を使った呪術は、
三輪山の神を呼び出す(鎮める?)
ためのものだったのだとか……。
高知の物部の里に残る「いざなぎ流」にも、
「蟇目法(ひきめのほう)」という
呪法が存在しますし、弓の弦を鳴らすことで
神や異界と交流する手法は、物部氏
(および石上氏)の専売特許だったのでしょう。
ちなみに物部氏は、大嘗祭の諸儀式における
中心的な役割に従事してきた部族でして、
楯や矛や弓といった武具を自在に操りながら、
宮の御門を固める立場を担っていたとのこと。
もしかすると、三輪山の祭祀を任された
「大田田根子」という人物を
探し出したのも物部氏であり、
両者は「弓を鳴らす呪術」を通じて
三輪山にコンタクトを取りながら、
大物主神をお祀りしていたのかもしれません。