***** 子年の展望 No.35 *****
数年前に奈良を旅行した折、
昨日話題に出した「蘇」という食べ物が、
ホテルの夕食メニューに入っておりました。
確か、チーズのような味と触感
だったと記憶にはあるものの、
さほどのインパクトがなかったゆえに、
「古代人は発酵食品が好き」程度の
印象しか残っていないのが如何せん……。
しかし、改めて考えてみますと、
古代の人々は「体に良い食べ物」に対しては、
現代人以上に敏感だったと思われますから、
発酵食品に何らかの「効用」を
見出していた可能性は高いのでしょう。
ちなみに、発酵食品の代名詞でもある
「納豆」の大元となるような食材は、
縄文時代の終わりごろにはすでに
出現していたという話があります。
恐らくは、縄文人の住む「ワラ」
で囲まれた竪穴住居が、
ある種の「発酵室」のような役目を果たし、
様々な「菌」を出現させていたのかもしれません。
和歌山県出身の学者・南方熊楠が
「菌」の研究に没頭したように、
私たちの日本人の祖先は、
生活環境に潜む様々な「菌」を活用することで、
「病気」や「未知のウイルス」
と戦っていた可能性もあるのですね。