たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

タタラと鬼

2019-02-03 09:48:34 | 出雲の神社

<安来市広瀬町>

 

出雲神話を代表する物語のひとつ

「ヤマタノオロチ退治」の一件は、

「砂鉄をめぐる部族間の争い」を

描いた話ではないかという説があります。

何でも、奥出雲の「タタラの民」を、

高志から来た異国人の集団が襲った一件を、

ヤマタノオロチの物語として描いたのだとか。

 

ときに、「鉄」の伝承や「鉱物」の遺産の類は、

古代史を読み解く有効な手段として引き合いに出されます。

神社の由来やご祭神などに関する資料は、

時代に応じて変更されているものも多く、

史実とは真逆の解釈をもたらす場合もあるゆえ、

鉄を調べることにより、確固たる「歴史的事実」

が浮かび上がってくるのも確かでしょう。

 

ただし、「渡来人=製鉄」

「鬼=タタラの民」などの話を聞くたびに、

個人的にはどうも物足りなさを感じるもの。

タタラ仕事に従事していた土着の民が鬼なのか、

はたまた製鉄文化をもたらした渡来人を鬼と呼ぶのか、

論ずる人々によって意見は千差万別ですし、

また、すべての古代部族間の争いを、

「鉄の奪い合い」に結びつける風潮にも、

違和感を覚えるのが正直なところです。

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