たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

鉄穴流

2019-02-02 09:44:40 | 出雲の神社

<安来市広瀬町>

 

奥出雲で見られる美しい棚田は、

たたら製鉄における行程のひとつ

「鉄穴流(かんなながし)」によって

生み出された景観だと聞きます。

鉄穴流とは、山を切り崩して土砂を流し、

それに含まれる砂鉄を採取する方法でして、

大量の砂鉄を取り、大量の鉄を製造するには、

何よりも「豊かな森」が必要不可欠なのだとか。

恐らく、たたら製鉄が始まる以前の奥出雲には、

深い森林地帯が広がっていたのでしょう。

 

一説に、スサノオが新羅国から出雲を目指したのは、

製鉄の炉を燃やす際に必要な、

木材の確保が目的だったとも言われています。

ただし、本当にそうであるなら、

日本書紀の一書にある

「はげ山だった全国の山々に、

自らの体毛を抜いて植林をした」

というスサノオの行動が、

どことなくしっくりこないように感じるもの。

すでにはげ山ばかりになっていた日本へ、

わざわざ植林をしにやって来るというのも不可解です。

そこで、他の逸話を読み比べてみたところ、

どうもスサノオという神は、

「鉄」とは一定の距離を置いていた節が伺えるのですね。

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