たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

悠久のとき

2017-07-15 11:13:34 | 熊野の神社

<寺谷・飛鳥神社 てらだにあすかじんじゃ>

 

寺谷・飛鳥神社という場所は、

「川を渡って神域に入る」という、

古来さながらのしきたりを残す場所です。

川に面して建てられた石の鳥居をくぐり、

10段ほどの石段を降りると、

大又川の川べりを埋め尽くすように、

白くきめの細かい大小様々な岩々が、

あたり一帯にまき散らされていました。

 

闇の中でも怪しく光り出しそうな

そのつやつやとした石の表面は、

長い時間をかけてゆっくりと

研磨されたものなのでしょう。

夜空の星雲にも匹敵するほどの岩の大群が、

大又川という「地の川」を象っています。

 

強烈な西日を手のひらで遮りながら、

水際に佇んでいたほんのひととき、

ここがどこかということすら忘れ、

川から吹き上がる祓いの風を

身体全体で受け止めていました。

わずか数分ほどの短い禊でしたが、

そこには確かに悠久のときが流れていたのです。

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