<松江市・松江城>
ヤマタノオロチに命を狙われたクシナダヒメや、
ヤマトタケルの身代わりとなって海に沈んだ
弟橘媛(おとたちばなひめ)の話など、
記紀の中には「人身御供」を
思わせる物語が少なからず存在します。
また、神話内だけに留まらず、
古くから「跡目争い」や「国盗り合戦」
の舞台となった「城」という建物にも、
何かと物騒な伝説がつきものでして、
築城工事の際などに問題が出ると、
「土地の神様の怒りを鎮める」といったの名目の元、
若い女性らを人身御供として生き埋めにした、
などの言い伝えがあちこちに残っているのです。
出雲市のお隣・松江市にある松江城にも、
「天守閣を支える石垣が何度も崩れ落ちたため、
城下で踊りを踊っていた少女を連れ去り埋めた」
という話が伝えられておりました。
この話は、小泉八雲が描く「人柱にされた娘」
というタイトルの怪談話の題材にもなりましたが、
これらの事実からも、日本には「つい近年まで」
人身御供の儀式が残っていたことがわかります。