***** 大嘗祭 No.5 *****
近年の大嘗祭は、新たな天皇が即位をしたのち、
新暦の「11月の第二卯(もしくは第三卯)の日」に行われる
大嘗の儀を中心に、諸々の行事が催行されておりますが、
もともとは旧暦の大みそかである「冬至の日」に
執り行われていたという話を聞きます。
大嘗祭の原型とされ、全国各地の神社で
11月23日に行われる「新嘗祭」という行事も、
古代より宮中では毎年「旧暦11月」の
冬至近辺に実施される「冬至のお祭り」でして、
冬至の日に新穀を神と共食して、
生命の蘇りを願う意図があったのだとか……。
そして、「卯の日」と「冬至」とが一致する
特別な日に大嘗祭を執り行ったのが、
天武天皇とともに大嘗祭の基礎を作った
とされる持統天皇なのですね。
恐らく持統天皇という人物は、
「冬至」の太陽の力を最大限に
引き出す方法を知っていたのでしょう。
天武天皇の崩御後、3年以上の期間をかけて
自らの「即位」⇒「大嘗祭」という流れを経たのも、
もしかするとこの「稀有なタイミング」を
狙ってのことだったのかもしれません。