たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

アメノヒボコ

2019-07-17 09:38:42 | 鉄の神々2

<出石神社 いずしじんじゃ>

 

古代、播磨国周辺で起きた「鉄を巡る争い」の中で、

最大のキーマンとなりそうなのが、

新羅王子とも呼ばれるアメノヒボコです。

『播磨国風土記』に限らず、

古事記や日本書紀などにおいても、

この神に関するいくつかの逸話が載せられていますが、

登場する時代や来日時の状況、

さらにはその名称に至るまで、

「似て非なる」パターンが散見されるため、

その素性をつかむのは容易ではありません。

まずは、頭の中を情報を整理すべく、

それぞれの内容を比較してみることにしましょう。

 

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『播磨国風土記』

神話の時代、アメノヒボコは出雲神であるアシハラシコヲ
(オオナムチ・伊和大神・大国主神)と領土争いをしました。
軍勢は八千人ほど。揖保川を遡り、
宍粟郡のあたりでアシハラシコヲとの紛争が勃発し、
国占めの結果、但馬国の出石地方に拠点を構えます。

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『日本書紀』

アメノヒボコは、垂仁天皇の時代に新羅から来日しました。
播磨国の宍粟村にて、垂仁天皇の使者と対面した際、
自ら「新羅国の王子」と名乗り、
羽太の玉、足高の玉、鵜鹿鹿の赤石の玉、
出石の小刀、出石の矛、日鏡、熊の神籬の
7つの神宝を差し出します。そのとき天皇により、
宍粟村と淡路島の出浅村の支配を許可されましたが、
自らの意思で但馬国出石地方を選びました。
土地の娘との間にもうけた子の末裔が田道間守です。

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……次回へ。

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