たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

タタラ場の掟

2019-02-14 09:58:43 | 出雲の神社

<宍粟市・たたらの里学習館>

 

タタラ場に行く途中、「犬」たちに襲われた村下は、

麻紐に足を取られ命を落としてしまいました。

すると、金屋子神は弟子たちに

「村下の遺骸を高殿にくくりつけ、鉄を吹け」と命じます。

神の言われるままに、遺骸を高殿にくくりつけると、

これまでにない上質な鉄ができたそうです。

 

また、近隣の集落の伝承の中には、

金屋子神の突然の死に戸惑う弟子たちが、

金屋子神に救いを求めて祈ったところ、

「四柱に死体を立て掛けよ」

あるいは「村下の骨を四柱に括り付けよ」

などの神託が下ったという話もあります。

 

それ以外にも、村に死人が出た際には、

1.葬列がタタラ炉の周囲をぐるぐる廻った……、

2.たたら場の中で棺桶を作った……、

3.棺桶の木を使うと炉が上手く稼働した……、

4.ドクロの色の変化で鉄の出来を占った……等々、

物々しい俗信がいくつも伝えられているのだとか。

いずれにせよ、金屋子神という存在は、

「死のケガレ」を避けるどころか、

逆に利用しようとしていた節が見られるのですね。

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