***** 大嘗祭 No.56 *****
新嘗祭の前夜、宮中では「鎮魂(みたましずめ)」と
「魂振(みたまふり)」という二つの儀式が行われ、
神楽歌として「安知女(あちめ)」
の曲が奏されると聞きます(詳細は不明)。
鎮魂祭と呼ばれる儀式は、
天皇の魂の活力を高めるために行われるもので、
新嘗祭(または大嘗祭)に臨む天皇霊を
強化するための呪法と考えられておりますが、
まずはそれらの祭祀がどのような内容なのか、
Wikipediaを引用してご紹介しましょう。
● 鎮魂の儀(宇気槽の儀)●
宇気槽(うきふね、うけふね)と呼ばれる箱を伏せ、
その上に女官が乗って桙で宇気槽の底を10回突く。
これは日本神話の岩戸隠れの場面において、
天鈿女命が槽に乗って踊ったという
伝承に基づくとされる。かつてこの儀は、
天鈿女命の後裔である猿女君の女性が行っており、
「猿女の鎮魂」とも呼ばれていた。
● 魂振の儀 ●
鎮魂の儀の後、天皇の衣を左右に
10回振る魂振の儀が行われる。
これは饒速日命が天津神より下された
十種の神宝を用いた呪法に由来するとされる。
『先代旧事本紀』には、饒速日命の子の
宇摩志麻治命が、十種の神宝を使って
神武天皇の心身の安鎮を祈ったとの記述がある。