<佐支多神社 さきたじんじゃ>
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事代主神の同意を得たタケミカヅチは、
再び大国主神に尋ねました。
「お前の子である事代主神は、
葦原中つ国を天津神に譲ることを認めたが、
他に意見を聞かねばならない子どもがいるか?」
その問いに対し大国主神は、
「タケミナカタという子がいますが、
それ以外にはいません」と答えました。
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事代主神が海の中に沈んで行った後、
入れ替わるようにして登場するのが
タケミナカタという神様です。
諏訪大社のご祭神としても知られる
タケミナカタは、『出雲国風土記』だけでなく、
『日本書紀』にも記載がないことから、
もともとは諏訪地方で信仰されていた土着の神で、
出雲とは無関係だったいう話もあります。
つまり、出雲神話に登場する神々のほとんどが、
「どういうわけか出雲とはあまり関わりがない」
という不可解な傾向が見られるのですね。
出雲を舞台にした記紀の物語が、
出雲というひとつの国で起こった出来事ではなく、
全国各地の「イズモ」と呼ばれる土地で起きた事件を、
総括した内容だと言われるのも、
そういった理由からなのでしょう。