***** 神社と災害 No.58 *****
阿波国一の宮として広く認知される
「大麻比古神社」は、神武天皇の時代に、
天太玉命の孫・天富命(あめのとみのみこと)が、
阿波忌部氏の祖を率いて阿波国に移り住み、
この地を開拓したことが創建の発端だと聞きます。
阿蘇神社と同じようにここでも、
「神武天皇」の名前が見え隠れすることから、
神武時代に「中央構造線」への監視が
強まった可能性も高いのでしょう。
忌部氏という名門祭祀氏族を配置し、
「名方郡」を管理下に置いたことは、
神武天皇がいかにこの地、そして中央構造線を
意識していたのかの証にもなりそうですね。
ちなみに、大麻比古神社の「麻の葉文様」の神紋は、
宮司家である永井氏の家紋でもあります。
確証はありませんが、「ナガイ」という名字に
「ナカ」の音が秘められていることを踏まえれば、
「名方」の秘密を知る一族でもあったのかもしれません。
いずれにせよ、大麻比古神社を始めとする
「名方の一の宮郡」と中央構造線との関わりは、
決して無視できないものなのでしょう。