***** 災害備忘録 No.12 *****
◆ ご近所関係の難しさ ◆
地震や台風などの自然災害が過ぎ去ったあと、
「一人の犠牲者も出さなかった地区」などのタイトルで、
集落の人々が助け合いながら
被害を最小限に食い止めた話が度々報道されます。
例えば、緊急時には地区内の安全な場所
にある住宅を避難所として開放したり、
逃げ遅れた家の人をご近所さんが助けてあげたり……
といった具合に、「助け合いの精神」を
称えるような話があちこちから聞こえてくるものです。
ただし、こういったケースは
「ごく一部」であるのが現実で、
知人から聞いた話によりますと、
昨年の台風接近時に、平屋に住む知人の友だちが、
「浸水が怖いので避難させてほしい」
と二階家のお隣さんにお願いしたところ、
「それは無理です」とにべもなく
断られてしまったのだとか……。
まあ、普段の交流の様子がわからないので、
何とも言えない部分はあるのですが、
特に「都市部」においては、
「他人を家に入れたくない」
「面倒に巻き込まれたくない」という風潮が強いゆえ、
「困ったときはお互い様」は通じないと
覚悟しておくべきなのでしょう。
逆に言えば、近隣の人々との適度の交流が、
緊急時の助け合いにつながるということです。
「困ったときだけお互い様」とならないよう、
生活環境の見直しも必要かもしれません。