たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

浄闇

2015-04-09 20:27:47 | 神社について

<内宮 ないくう>

 

各地の神社で行われる重要なお祭りの多くは、

決まって夜の闇(浄闇)の中で進行されます。

式年遷宮のクライマックスである遷御の儀も、

神様が古いお宮から出御される直前、

神域内のすべての明かりが消され、

松明の炎のみが足元を照らす中、

渡御の御列が新宮へと進みました。

 

伊勢の内宮などは、

太陽の神である天照太御神がご祭神ですから、

日光が照らす昼間にご神事が行われても

決して不思議ではないのですが、

真夜中の儀式の様子を写真や映像等で拝見したり、

夜明け前の薄暗い神宮の境内を散策したりしますと、

暗闇の中で行われる理由が何となくわかるもの。

 

暗い神域の中に身を置くことで、

神様と自分との一対一の関係が作られ、

また周囲の景色がはっきりと見えない分、

他の感覚がいつも以上に敏感になります。

視覚から入ってくる雑念や思い込みを排除し、

精妙な神様の気配(神気)を感じるには、

やはり暗闇という条件が必要なのでしょう。

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