<神戸神社 こうどじんじゃ>
学校やスーパー、旅館などが立ち並ぶ
古座川町の中心部の住宅街の中に、
神戸神社(こうどじんじゃ)という名の
社殿を持たない神社があります。
「神殿(こうどの)明神森・木を神体とす」と、
紀伊続風土記の中にも書かれているように、
こちらの神社のご神体は背後の「森」です。
おそらく、日本全国の神域に社殿が建てられる前は、
森と人里との境に目印となる祭壇を作っただけの
簡素な形式の神社がほとんどだったのでしょう。
今では滅多に見られなくなってしまった、
「古いしきたり」を残す場所が、
このような町中に存在していることに、
安堵の気持ちがわきあがりました。