たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

アイヌの文様

2019-12-09 09:42:21 | 縄文への旅

<国立民族学博物館>

 

アイヌと縄文人とのつながりについては、

専門家の間でも意見が分かれるようですが、

アイヌに残る様々な思想や習俗を調べておりますと、

個人的にはやはり両者の間に深い結びつきを

感じるのも確かです。そのひとつが、

アイヌの人々の間に伝承される「文様」でして、

その幾何学的な図形の繰り返しを伴うデザインは、

どう見ても縄文土器のそれを想像せずにはいられません。

 

ちなみに、アイヌの人たちは、「絵」や

「生き物の造形物」などを極力避けていた節があり、

アイヌの血を引く老人が、動物の着ぐるみを着た人を見て、

「何と恐ろしいことを……」と卒倒したという話も聞きます。

恐らく、縄文人と同じようにアイヌの人々にとっても、

「神」が宿る動物や自然界の生物を安易に模写することは、

タブー中のタブーだったのでしょう。

 

縄文人が、大胆にデフォルメした図柄を土器に用いたり、

わざと人間離れしたフォルムの土偶を造ったりしたように、

アイヌの人たちも命あるものを「生き写しにする」ことに、

ある種の畏れを感じていたと考えられるのです。