<国立民族学博物館>
西日本一帯が「弥生」と呼ばれる時代に入ってからも、
頑なに縄文文化を守り続けた、
東北、信州、関東など東日本一帯でしたが、
四方八方から押し寄せる「新時代の波」には逆らえず、
次第に弥生文化に飲み込まれて行きました。
そんな中、日本列島のある一部の地域だけは、
いわゆる「弥生化」することなく、
今日にまで至っているという事実をご存知でしょうか?
その地域とは、ずばり「北海道」でして、
何でも冷涼な気候のせいで稲作が根づかなかったため、
必然的に「縄文」を維持し続ける結果になったのだとか……。
日本の全土が弥生一色に染まって以降も、
約1,000年間にわたり「続縄文時代」
と呼ばれる狩猟採集生活を続け、
のちの「アイヌ」の人々へと血脈をつないだと聞きます。
つまり、弥生化の波をかいくぐった「北海道縄文人」こそが、
縄文人のDNAを最も色濃く継承している人々であり、
現在のアイヌの人々の暮らしの中に、
かなり高密度の「縄文」が残されていると
考えても差し支えないのでしょう。