たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

民間信仰の聖域

2015-03-01 14:03:33 | 伊勢神宮

<月夜見宮 つきよみのみや>

 

昨日遷宮が執り行われた月夜見宮は、

伊勢神宮の別宮でありながら、

他のお宮とは違う独特の雰囲気があります。

伊勢の中心地に鎮座するという立地条件や、

参道が住宅地の中を通るという景観以外に、

大きな理由として考えられるのが、

本殿脇にあるお稲荷さんの存在でしょう。

 

外宮がある山田の地では、

古くから民間信仰が盛んで、

周辺には多くの稲荷系神社が見られます。

もともと月夜見宮のあたりも、

高河原(たかがわら)と呼ばれ、

農耕に深い関わりがある土地だったそう。

つまり、神宮の管轄に入る前の月夜見宮は、

民間信仰の聖域でもあったわけですね。

 

通常、神宮が管理するお宮の中に、

別の信仰形態が混ざることはありません。

ただ、月夜見宮のあるこの場所が、

地元の人たちにとって、

「重要な聖域」だと知っていたからこそ、

神宮側も異系統の信仰の場を、

黙認しているのでしょう。

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