たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

ニイナメ

2020-04-25 09:11:30 | 大嘗祭

 

***** 大嘗祭 No.23 *****

「能登の神社」に関する記事の中で

ご紹介した「アエノコト」という行事は、

「大嘗祭」の大元の形を残すとされる民間伝承です。

アエノコトの「アエ」とは「饗」の意味であり、

田の神(稲魂)を迎えてもてなし、

家族と共に食事をするという、

「ニイナメ」の古風なしきたりを

今に伝える伝統でもあります。

 

「大嘗祭(だいじょうさい)」の中心的儀式

「大嘗宮の儀(だいじょうきゅうのぎ)」の中で、

天皇陛下が多くの時間を割かれたのも、

「神への供物を取り分け自らも食する」

という所作でした。言うなればこの「アエ」こそが、

近代の大嘗祭における中心的儀式とも言えるわけですね。

 

ちなみに、各家庭の神棚にお供え物を上げる

風習を「宅神祭」と呼びますが、

考えてみますと、これらも「稲魂」を

お祭りする「ニイナメ」の行事ですから、

大嘗祭が始まるはるか以前には、

すでに日本人にとって「ニイナメ」

という概念は当たり前のものだったのでしょう。

 

大嘗祭の大枠を作った祭祀氏族は、

「アエノコト」「宅神祭」など

「縄文の祭り」を参考にしつつ、

その概要を固めて行ったのかもしれません。

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