<気比神宮 けひじんぐう>
「牛」に関連するお祭りは、
全国各地にたくさん残されておりますが、
その代表的なものが、京都三大奇祭
のひとつである「牛祭り」です。
京都市太秦の広隆寺で行われるこのお祭りは、
白紙の仮面をかぶり、異様な格好をした摩多羅神
(またらじん)が、牛に乗って寺内を一巡し、
国家安穏・五穀豊穣・悪病退散の
祭文を読むというまさに「奇祭」で、
秦氏由来の行事という説が有力視されています。
また、アメノヒボコ(ツヌガアラシト)とのゆかりが深い、
福井県の気比神宮にも、牛腸祭(ごちょうさい)という、
牛殺祭祀を思わせる特殊神事が伝えられていました。
何でもこの牛腸祭には、女人禁制はもちろんのこと、
それ以外にも厳重な取り決めが存在するのだとか……。
仮に、この祭典が渡来人の信仰に基づくとすれば、
「厳重な取り決め」とは、恐らく供犠の手順に
関わるものだったのでしょう。
となりますとやはり、アメノヒボコは「牛殺祭祀」
を広めた人物(神)という可能性が高くなりますが、
ひとまずそのあたりの謎は保留とすることとして、
遅ればせながらアメノヒボコの本拠地である、
出石の周辺を巡ってみることにしたいと思います。